他行担保の譲渡で保全確保


2014年02月22日

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年商7億円ほどの食品卸業の会社P社から運転資金として3,000万円の融資申し出を受けました。
年末年始の資金繰りに不安があるために3,000万円ほどの手元資金を積み上げしておきたいとの要望です。
年末年始は食品業界では稼ぎ時期であり、普段の月よりも大きな取引が発生しがちです。
これに伴い資金負担も大きくなることが通常であり、それに備えて手元資金を積み上げておきたいというP社の希望は自然なことです。
金融機関としても積極的に支援を検討する局面です。

当行は無担保与信のみ
P社は当行以外にA信用金庫と取引がありました。
当行はP社に数千万円のプロパー融資を行っており、すべて無担保の状態です。
もともとP社はA信用金庫のみと取引をしていました。
その後当行が新規取引の勧誘を行い、2年ほど前に取引開始に至りました。
それ以降当行はP社に対して無担保でのプロパー融資を行っているのです。
後発の取引ではよくある状態です。

P社の担保はA信用金庫に集中
もともとA信用金庫と長い取引があったこともあり、P社の日頃の入金や出金取引はA信用金庫の口座が使われています。
またP社の本社不動産や代表者の自宅にはA信用金庫が担保設定をしています。
他行担当者の私から見れば、A信用金庫には入出金取引もあり、かつ不動産担保により融資の保全は確保されており、実にうらやましい限りでした。
しかし当行の取引歴はA信用金庫に比べてとても短く、私はやむを得ないものとあきらめていました。

当初は融資要請をお断り
せっかくのP社からの相談なので何とかしたいという思いが私には強かったのですが、当行はすでに無担保にて相応の融資があり、これ以上の無担保の拡大は残念ですが困難な状態でした。
担保があればP社とはもっと突っ込んだ取引が出来ると私は日頃から考えていたのですが、担保となるべき本社不動産や社長の自宅はA信用金庫にしっかりと押さえられており、手が出せない状態です。
信用保証協会の保証付での融資も検討しましたが、信用保証協会の利用残も相応の水準に達しており、やはり無担保扱いで信用保証協会の追加保証が得られる可能性はありませんでした。

A信用金庫からの融資をアドバイス
P社より相談を受けた翌日に私はP社の社長と連絡取り、
① 当行での融資は担保がない限り難しいこと
② 主力行であるA信用金庫に相談をしてほしいこと
の2点を伝えました。

これに対してはP社の社長からはすでにA信用金庫には相談済みであり、追加の担保がないと融資が難しいと言われているとの話を伺いました。
P社の本社不動産と社長の自宅不動産については以前、担保の余力はないかどうかを確認するために担保評価をしていました。
この担保評価とA信用金庫の融資残を比較してみると、まだ担保評価の方が高く、A信用金庫は現在の担保(根抵当権)の範囲内でまだ融資余力があるのではないかと私は感じました。

A信用金庫との交渉手法を助言
私はP社の社長にA信用金庫の担保設定状況とP社の同金庫からの借入残高を示して、A信用金庫の融資残高に比べるとA信用金庫が設定している不動産担保にはまだ余力があることが考えれるため、このことをA信用金庫に話をして、今一度融資の相談をするように助言を行いました。
P社の社長の「そうします」と言われ、後日のその結果の連絡をいただくことにしました。

A信用金庫の固い姿勢
数日後P社の社長から連絡があり、やはりA信用金庫ではこれ以上融資が出せないとのことでした。
私はA信用金庫の対応は厳しいなと感じるとともに、A信用金庫がP社の主力金融機関であり、何か私が知らないようなP社に関するネガティブ情報を掴んでいるのではないかと思いました。
逆にそのようなネガティブ情報がないのであれば、P社とA信用金庫との取引をすべて当行に移してもらう好機とも考えました。

取引の肩代わりに本腰を入れる
私はP社の社長に最近の試算表の提出をお願いしました。
試算表を見る限り、業績の大きな変化や気になる点の存在はありませんでした。
その上で私はP社の社長に思い切ってA信用金庫が取っている担保をすべて当行に譲渡してもらい、融資取引を含めたすべての取引を当行で対応することを検討したいことを正式に申し入れしました。
その上で、現在のA信用金庫に対する融資の返済状況を個人のローンを含めて(社長はA信用金庫から住宅ローンを借りていました)、すべて当行に教えてほしいと要請しました。
私としては個人ローンを含めて延滞の有無を調査し、正常に返済がなされていることを確認したかったのです。
私からの率直な申し出に対してP社の社長は最初は「大丈夫なのか」といった表情をされましたが、A信用金庫の日頃の取引姿勢に対する不満をツラツラと発言され、私の依頼事項を最終的には了解していただきました。
1週間程度で私がお願いしていた資料がP社の社長より提出され、A信用金庫宛の返済が遅れているなどのネガティブな情報はないことを確認することが出来ました。
翌日、私は支店長とともにP社にお邪魔をしました。
そして私はA信用金庫の不動産担保をすべて当行に譲渡していただくことを条件にA信用金庫からの借入をすべて肩代わりさせていただくことに加えて、今回の3,000万円の融資も実行させていただくことをお伝えしました。
同席した支店長からは本件が成就したあかつきには、入出金の取引については徐々に当行に移していただくようお願いをしてもらいました。
その後、融資の肩代わりと不動産担保の譲渡の事務手続きを進めました。
最後になってA信用金庫からP社に対しては3,000万円の融資を実行するから思い止まってほしいとの要請がなされたようですが、P社の社長は当行に対する約束を守っていただき、取引の肩代わりが実現しました。






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