社長個人の定期預金預け替えにより融資実行

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会社と経営者は実質一体

中小企業の場合には会社と経営者個人が実質一体と銀行は考えています。
そのため銀行の融資審査においては経営者個人の状況も資金調達余力を判断する上で欠かせない情報となります。
経営者個人の資産状況を確認し例えば自宅不動産を所有していれば、会社では担保となるべき資産を保有していなくとも、傾斜個人の自宅不動産資産を背景として融資判断を行うことが出来ます。
これは不動産に限らず預金など金融資産も当然ながら経営者個人の資産背景とみなすことが出来ます。
経営者個人が相応の預金を保有しているのであればその預金などを担保徴求しなくとも、将来その資産を活用した資金調達や会社への貸付により資金繰りの確保が出来ますから銀行としては安心出来る材料となるのです。

経営者の預金を見合いに融資判断

管理者が以前担当していた会社でF社がありました。
会社の業績は正直申し上げて良くはありません。
直近 2 期は連続して赤字決算です。
そのようなF社から融資の相談がありました。

当方:「会社の決算数字を拝見すると赤字が続いていますから、融資のハードルが高くなってしまいます。それと基本的には信用保証協会の保証付融資にて検討をさせていただきたいと思います」
先方:「信用保証協会の利用は構わないけれど無理だと思うよ。3 ヶ月ほど前にある信用金庫さんで信用保証協会に申し込みをしたけれども申込金額の半分に削られたよ。赤字が続いていることが原因らしいが」
当方:「そうですか。3 か月前だとまだ日がそれほど経過していませんから信用保証協会の利用は難しいですね。困りましたね」
先方:「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。いざとなれば俺のお金をつぎこむからさ」
当方:「定期預金などをお持ちなのですか?」
先方:「お宅ではないけどね。そんな大金ではないけれど少しはあるよ」
当方:「そうですか。もしよければそれを当行に移してもらえませんか」
先方:「担保に取るの?」
当方:「そのようなことは最初から考えておりません。会社と親しい取引をさせていただいておりますので、社長個人のお取引もぜひ当行でお願い出来ればとの考えです。別に担保にいただかなくとも当行に預けていただくことで会社宛のご融資がやりやすくなる面もありますから」
先方:「いいですよ。定期の満期日はまだ先だったと思うけど金利もほとんどつかないから、中途解約をしてお宅に預けるよ。来週でいいかな」
当方:「ありがとうございます。ぜひお願いします」
翌週に私は社長のところに訪問し、他行に預けてあった定期預金2,000 万円を当行に預け替えをしていただきました。
これでF 社に対する融資検討は非常にやりやすくなりました。
ポイントは経営者の資産背景を具体的に把握することが出来たからです。
いざとなればその定期預金を担保に取ることも可能となります。
またはその定期預金にて F 社宛の融資の広義の保全が図れることになったからです。
F社はさきほどもご案内したように2 期連続の赤字でしたが、社長個人の定期預金を預け 替えしていただくことで融資稟議の決裁を得ることが出来ました。
つまり F社の資金調達余力が社長の個人定期預金にて証明することが出来たからです。
このように資金調達余力が中小企業の資金繰り維持を見極めるうえでの重要な判断要素な のです。



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