前妻の借金を元夫は返済する義務がありますか


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離婚したところ前妻のカードローンの返済請求が元夫に来たが、元夫は前妻のカードローンを返済しなければならないかがこの記事のテーマです。

まず管理人は銀行員ですから銀行カードローンについて最初に説明します。
銀行は専業主婦に対してはカードローンを発行しません。
あくまで収入がある人に対してカードローンを発行します。
しかし結婚前に前妻が銀行カードローンを作っていた場合は考えられます。

この場合、銀行は夫に対してカードローンの返済を請求することはありません。
夫が連帯保証人になっていれば請求を行いますが、通常はカードローンは無担保無保証です。
そして夫婦とはいえ、夫と妻は別人格ですから銀行は夫に前妻のカードローンの返済を請求することはありません。
前妻の居場所を聞くことはあるかもしれませんが。

ではよく「専業主婦でもOK」と広告されているカードローン(キャッシング)があります。
この場合はどうでしょうか?
この場合もおそらく夫に請求することはないと思われます。
この手の商品は夫の収入を当てにして専業主婦にカードローンを発行しているのですが、あくまで夫の収入を「当てにしている」だけであって、あくまでも貸しているいるのは前妻です。
夫が連帯保証人になっていない限り、夫に返済を請求することは出来ません。

問題はクレジットカードの場合です。
前妻が独自に発行を受けたクレジットカードではなく、夫の家族カードとして前妻がクレジットカードを保有している場合です。
この家族カードの場合はあくまでも契約者は夫です。
夫に対する取引の一環として家族宛のクレジットカードの発行を認めているのです。

したがって家族カードの場合はその返済義務はあくまでも主契約者である夫にあります。
クレジットカードには通常のショッピング枠の他にキャッシング枠やカードローン機能が付与されているものが多いと思います。
これらの利用もその返済義務は主契約者である夫です。

では前妻が使ったクレジットカードの債務をすべて夫が支払わないといけないのかというと決して全てではないケースもあります。
それは民法761条の規定です。

民法761条
夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。

これは夫婦は第三者に対して連帯してその債務を負うことを規定しています。
しかし連帯して債務を負う範囲は「日常の家事に関して」です。
「日常の家事」以外のことは夫婦と言えども連帯して債務を負うことはないわけです。
では日常の家事とは何でしょうか。
これはその夫婦の収入状況や社会的地位などによって個別に定められます。
したがってある夫婦にとっては「日常の家事」の範囲内とはいえないことであっても、別の夫婦にとっては「日常の家事」の範囲内と認められるケースがあるということです。

このあたりは相当専門的な事柄になりますので、立ち入ってお話をすることはできませんが、一般的なサラリーマン夫婦の場合、毎日の食費の買い物などは「日常の家事」の範囲内と認められます。
一方で、ギャンブルや高価な貴金属の買い物などは「日常の家事」の範囲内とは認められないはずです。
この場合は仮に家族カードで前妻が作った債務であっても、夫のその返済義務はないことになります。

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