新規出店資金借り入れ

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既存の店舗の状況は?

複数の飲食店を営む会社社長より新規出店に伴う入居保証金や設備投資、立ち上げに伴う運転資金の申し出があった。
ここ数年、この会社は積極的に新規出店を行っているが、その都度、当行は当社側の申し出に応じて、出店に関わる融資を行っている。
いくつかの融資はまだ元本返済据置期間で、まだ元本返済がはじまっていないものもある。
社長からは説明は今回の出店に関する計画のみ。
当方としては新規出店もさることながら、ここ数年に出店したいくつかの店舗について、その実績を知りたいところ。

当方からその点を質問すると、一部はまずまずの水準だが、一部は当初計画どおりに行っておらず、赤字になっている店舗もあると。
また当社創業時の店舗の実績が相当落ち込んでおり、この店舗について頭を悩ましている模様。
決算はあと数ヶ月先であるが、今期決算は赤字とのこと。

結論から申し上げて、今回の借入申し出に謝絶する方針です。

借りる時だけ来る社長

決算が赤字見込みであるというところも気になるところですが、最大の要因は、日頃の社長とのやり取りにおいて、この社長に不安を感じるからです。
というのは、新規出店ばかりの説明で、足元の不採算店舗を今後どうように改善していくか、などの考えがまったく見えてこないからです。
またここ数年の出店資金を当行は融資をしてきました。
当然融資した側としては、融資によって出店したお店の実績がどうなっているのかは、気になるところです。

ただ今回の再びの新規出店資金の相談を受けるまで、社長から、これら実績の報告は一切ありませんでした。
当方としては、「借りるときだけ来る社長」とのレッテルを貼りたくなります。
もっとも過去の出店資金を当方は比較的安易に応じてきたために、社長も安心してしまったのかもしれません。

まずの足元の実績の説明から

今回社長の申込の方法はその順番が間違っています。
まずは足元の実績の説明を行うべきなのです。
その上で、赤字店舗があるなら、その改善策を明確に示すべきなのです。
それを銀行に納得させた上で、新規出店の借入相談に移らなければなりません。

今銀行は、赤字だから、という理由だけで新規融資を断ったりは原則しません。
今回の新規出店が当社にとってプラスになるものであれば、たとえ直近決算が赤字であったとしても、いくつかの既存の店舗が赤字であったとしても、新規出店資金融資は前向きに検討します。
ただ残念ながら、今回の社長は足元の実績の説明が不十分。
これでは当方としては、この社長は会社の実態を把握しておらず、ただやみくもに出店をしている、と考えてしまいます。
こういう社長とは安心してつきあうことが出来ないのです。

信頼できる社長かどうか

決算が赤字か否かもさることながら、社長が信頼できる人か、長く安心してつきあえる人か、というところは、銀行の融資審査上、重要なポイントです。
今回当行は、融資をお断りします。
きっとこの社長は、別の金融機関に出向いて、借入相談をすると思います。
当方からは足元の実績について、もう少し詳細を教えてほしいとボールを投げましたが、たぶん返ってこないでしょう。
長く安心して取引できない会社になると思います。



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