財務分析・資金繰り入門27 資金運用表の作り方(1)短期面

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資金運用表の作り方とともに、資金運用表の見方を学びます。
資金運用表は短期面、長期面、総合面の3つに分類出来ます。
最初に短期面の作り方と見方を学びます。

資金運用表の短期面の作り方

※資金運用表の短期面の欄
 

 

運用

調達

 

 

受取手形   支払手形  
売掛金   裏書譲渡手形  
棚卸資産   買掛金  
その他流動資産   その他流動負債  
合計   合計  
短期面資金過不足      

2期の貸借対照表の各科目の増減を資金運用表の運用欄と調達欄に記入します。
ここで「運用」と「調達」の言葉の意味について補足します。

運用というと銀行定期でお金を運用する意味と思われるかもしれませんが、必ずしもそういうことではなく、「資金が形を変えて使われている」と考えるほうが理解しやすいかもしれません。
たとえば受取手形の運用が10百万円という場合、10百万円の資金が受取手形の形に前期より多く使われている、受取手形に姿を変えているということになります。

つぎに調達ですが、調達というとお金を銀行などから借入してくることを想像してしまいますが、必ずしもその意味だけではありません。
「お金をまだ払っていない」ことも資金運用表上では調達に含まれます。
たとえば支払手形の調達が10百万円という場合、10百万円の資金が支払手形の発行によってまだ支払いを猶予されているということになります。

それでは資金運用表の実際の作成に進んでいきます。
サンプルに以下にA社の2期分の貸借対照表を示します。
これをもとに資金運用表の短期面を作成していきます。

A社の貸借対照表
 

(単位:百万円)

資産

負債・純資産

科目

1期

2期

増減

科目

1期

2期

増減

現預金

21

18

▲3

支払手形

42

45

3

受取手形

22

30

8

買掛金

21

22

1

売掛金

16

20

4

短期借入金

27

47

20

棚卸資産

23

31

8

未払法人税等

2

3

1

貸倒引当金

▲1

▲1

0

その他流動負債

3

1

▲2

その他流動資産

8

8

0

 

 

 

 

流動資産合計

89

106

17

流動負債合計

94

118

24

有形固定資産

81

97

16

長期借入金

39

43

4

無形固定資産

0

0

0

退職給付引当金

3

3

0

固定資産合計

81

97

16

その他固定負債

0

0

0

投資等

7

5

▲2

固定負債合計

42

46

4

繰延資産

0

0

0

純資産

40

44

4

資産合計

177

208

31

負債・純資産合計

177

208

31

(割引手形)

(30)

(35)

(5)

 

 

 

 

※裏書譲渡手形は1期、2期とも0

まず受取手形ですが、ここで最初に気をつけなければならないことは受取手形には割引手形と裏書譲渡手形を含むということです。
純粋な受取手形は8百万円、割引手形は5百万円それぞれ増加していますから、資金運用表の受取手形欄には8百万円+5百万円=13百万円を記入します。
 

 

運用

調達

 

 

受取手形

13

支払手形  
売掛金   裏書譲渡手形  
棚卸資産   買掛金  
その他流動資産   その他流動負債  
合計   合計  
短期面資金過不足      

受取手形(割引手形を含む)が1期と2期とくらべて13百万円増加したということは、受取手形に姿を変えた、受取手形としてプールされた資金が13百万円増加したということです。
したがって1期と2期の2年間に、結果として資金が受取手形の形に13百万円多く姿を変えて運用されている、プールされて運用されているということです。

受取手形は現金ではありませんから、増加した13百万円の現金はまだ手元にはありません。
したがって資金繰り上は13百万円の資金不足が生じることになります。

同じように売掛金、棚卸資産、その他流動資産(現預金は除く)、支払手形、裏書譲渡手形、買掛金、その他流動負債(借入金は除く)の増加額を計算すると、
・売掛金 4百万円増加
・棚卸資産 8百万円増加
・その他流動資産 変動なし
・支払手形 3百万円増加
・裏書譲渡手形 変動なし
・買掛金 1百万円増加
・その他流動負債 変動なし
となりますから、資金運用表は次のとおりとなります。
 

(単位:百万円)

 

運用

調達

 

 

受取手形

13

支払手形

3

売掛金

4

裏書譲渡手形

0

棚卸資産

8

買掛金

1

その他流動資産

0

その他流動負債

▲1

合計

25

合計

3

短期面資金過不足

▲22

 

 

資金運用表の見方

短期面の運用額合計が25百万円、短期面の調達面合計が3百万円となっています。
このことの意味することは1期と2期の2年間に25百万円の資金がより多く使われており、25百万円の資金が必要となったこと、一方で3百万円の調達(支払いがまだ先)をしたことです。

そしてトータルでは22百万円の資金が不足したこと、つまり22百万円の資金繰りが悪化したことを示しています。

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