財務分析・資金繰り入門37 資金移動表の分析


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経常収支の重要性

資金移動表の分析方法の説明です。
資金移動表の分析は経常収支の分析にほかなりません。
経常収支がプラスなのかマイナスなのか。
マイナスの場合はその要因は何か。
この分析が経営においても非常に大切です。

経常収支とは事業活動を現金ベースで見たものです。
経常収支がプラス、つまり現金が足りることではじめて健全な事業活動を継続することが出来ます。
したがって経常収支の分析は事業活動を維持する上で非常に重要なのです。

経常収支の算出方法
 

営業収入(A)  
  売上高  
売上債権増減  
前受金増減  
前受収益増減  
未収収益増減  
営業支出(B)  
  売上原価  
  棚卸資産増減  
  仕入債務増減  
  販売費及び一般管理費  
  固定資産減価償却費  
  引当金増減  
前渡金増減  
前払費用増減  
未払費用増減  
営業収支(C=A-B)  
営業外収入(D)  
  受取利息配当金  
営業外支出(E)  
  支払利息割引料  
営業外収支(F=D-E)  
経常収支(G=C+F)  

経常収支は上記資金移動表の計算に則って算出することが出来ます。
しかし見ればおわかりかと思いますが、経常収支の算出までに様々な項目があり、やや面倒です。
そこで経常収支の簡易な計算式をご案内します。

上記資金移動表の各項目を整理することで、次のような簡易な計算式を導くことが出来ます。

経常収支≒経常利益-運転資金増減+固定資産減価償却費+引当金増減
※運転資金増減=売上債権増減+棚卸資産増減-仕入債務増減

経常収支は損益計算書の経常利益に運転資金の増減を勘案し、現金支出を伴わない固定資産減価償却費と引当金増減をプラスすることで簡単に算出することが出来ます。

経常収支の分析ポイント

決算書の損益計算書が黒字であっても、経常収支がマイナスである場合は売上債権や棚卸資産の増加、仕入債務の減少による運転資金の増加が原因であることがほとんどです。

運転資金の増加が通常の売上増加に伴うものであれば事業内容も正常だと考えられます。スムーズに銀行融資などで資金調達できることを前提にそれほど心配する必要はありませんが、運転資金の増加が売上増加に伴うものでない場合は要注意です。

運転資金の増加が売上増加に伴うものでない場合には
・無理な営業活動による押し込み販売をしていないか
・売上債権の焦げ付きはないか
・販売の見込み違いから大量の在庫を抱えていないか
・不良在庫が発生していないか
を最低限確認してください。

経常収支の一般的分析ポイント

経常収支がプラスの場合
・経常収支のプラスの金額内に「決算支出+設備投資+長期借入金の返済」が収まっているか
→収まっていない場合には銀行融資などの資金調達が必要となります。

経常収支がマイナスの場合
・利益が悪化していないか、赤字ではないか
・運転資金の増加は売上増加に伴うものか
・売上債権の回収条件が悪化していないか、売上債権の焦げ付きはないか
・不良在庫が発生していないか
・仕入債務の支払条件が悪化していないか

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