設備負担による資金繰り悪化


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設備投資は投資に見合う収益を上げられないと資金繰りを大きく悪化させます。
ある中小企業(製造業)の事例です。

この中小企業の有形固定資産ほかの推移は次のようになっています。
(単位:百万円)

  2006年 2007年 2008年 2009年 2010年
売上高 190 130 129 95 88
営業利益 6 ▲16 ▲1 ▲3 10
有形固定資産 35 63 63 63 65
総資産 145 145 163 133 135
総借入金 112 138 152 145 142
所要運転資金 20 17 24 9 5

※所要運転資金=売上債権+棚卸資産-買入債務

総借入金と所要運転資金の関係に注目

総借入金と所要運転資金の差額は運転資金以外の使途に借入金が使用されていることを示しています。
この中小企業の場合ですと常に1億円以上の資金が運転資金以外に使用されています。
そしてこの事例ですと多くが有形固定資産、つまり製造のための設備に資金が回っています。

設備投資は毎年の収益で資金を回収する

製造業にとって設備は必要不可欠な資産です。
そして設備に費やした資金は毎年の利益により回収していくことになりますが、この中小企業の場合には営業利益が赤字の期が多く、設備に回した資金をきちんと回収できていない状況になっています。
設備に回した資金がきちんと回収できていないということは、それだけ資金繰りを悪化させます。

当社の場合も資金繰りの悪化を補填するために、銀行融資の借入金が膨らみ売上の低下も重なって借入金の水準は売上を超えており、返済負担がさらに資金繰りを悪化させる悪循環に陥っています。
返済のための銀行融資が受けられなければ、そこで資金繰りは行き詰ってしまう状態です。
当社の場合には返済のための銀行融資が受けられなかったため、2008年から返済条件の緩和に至っています。

設備投資は十分な計画をもって実施を

多額の費用を出費することが多い設備投資は、その後の収益が計画通りに上げられないと確実に資金繰りを悪化させます。
また設備投資の費用を銀行融資で調達する場合に、返済期間を長期の形態で実施しないと毎年の収益が銀行融資の返済に追いつかなくなります。
そうすると返済のための追加の銀行融資が必要になってきます。

今回の中小企業の場合には設備投資に見合う収益を稼ぎ出していないために、資金繰りを悪化させ年商対比の借入金も相当な負担になってしまいました。
このような状態になると通常の資金繰りでは返済は不可能で、デメリットの多い返済条件の緩和をしない限り、会社の存続は期待できなくなります。

設備投資は資金繰りを悪化させる危険を伴っています。
十分な計画性をもった設備投資が必要なのです。

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