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銀行融資の基本 融資審査マンの見方

赤字決算の場合の銀行融資への影響

赤字決算を出すと新規の融資が受けられない他にすでに借入している融資も返済するように銀行から言われるのではないか・・・?
このような不安な問い合わせをよく受けますが実際はどうなのでしょうか?
赤字決算の場合の銀行の融資への影響について融資担当の銀行員が説明をします。

赤字決算になると銀行から融資の返済を求められる?

赤字決算になると銀行から融資の返済を求められるのかどうかなどいろいろな問い合わせを受けます。
よくある質問を例示します。

よくある質問

・赤字決算になると現在借入している融資の返済を銀行が求めてくる
・赤字決算になると現在の融資の返済期間を短くするように銀行が求めてくる
・赤字決算になると融資の金利が引き上げられる
・赤字決算になると担保を入れるように求められる
・赤字決算になると連帯保証人を入れるように求められる

実際はどうなのかを融資担当の銀行員が説明をします。

赤字決算になると現在借入している融資の返済を銀行が求めてくる?

赤字決算になると銀行が現在の融資の返済を求めてくることはありません。
もっと厳格に言いますと赤字決算を理由に銀行は現在の融資の返済を求めることはできません。

赤字決算を理由に銀行が現在の融資を返済するように求めることはない

期限の利益で保護されている

融資においては銀行は債権者の立場ですが、融資を受けている債務者にも一定の権利があります。
その債務者の権利というのが期限の利益です。
例えば銀行から期間3年で融資を受けたとします。
この時の期限の利益と言うのは3年間は今回の融資は利用ができるという権利です。
この権利を赤字決算を理由に銀行が奪うことはできません。

融資を受けている債務者には期限の利益という権利がある

期限の利益の注意点

ただし期限の利益には注意点があります。
さきほど期間3年で融資を受けたと説明をしました。
そしてこの融資は毎月の分割返済が条件だとします。
期限の利益が有効であるのはこの返済条件をきちんと守っていることが前提です。
つまり遅れることなく毎月きちんと返済をしていることが期限の利益の前提です。
もし毎月の返済が遅れているということになれば、銀行はこの期限の利益を喪失させて融資の返済を求めることができるようになります。

期限の利益で守られるには返済条件をきちんと守っていることが前提

赤字決算になると現在の融資の返済期間を短くするように銀行が求めてくる?

赤字決算になると銀行が早く現在の融資を返済するように求めてくることはありません。
さきほどと同じ理屈で融資を受けている債務者には期限の利益があります。
もし銀行が赤字決算を理由に融資の返済を早くするように求めてくれば、それは期限の利益が侵害されることとなります。
さきほどの注意点と同じで返済条件をきちんと守っている限りにおいて、赤字決算だからという理由で現在の融資を早く返済をするように銀行が求めることはできません。
そして実際に銀行が求めてくることもありません。

赤字決算を理由に銀行が現在の融資を早く返済するように求めることはない

赤字決算になると融資の金利が引き上げられる?

銀行が一方的に金利を引き上げることはありませんが、赤字決算になると銀行が金利の引き上げの交渉をしてくる可能性はあります。
赤字決算になると銀行が金利の引き上げを求めてくる理由には銀行にとっての金利の性格からです。

融資の金利は貸倒リスクに対する対価

銀行にとって融資の金利は収益源であると同時に融資の貸倒リスクに対する対価という性格があります。
融資の貸倒、つまり融資先が返済できない可能性の程度に応じて融資の金利は異なるということです。
返済能力が高く貸倒リスクが低いと考えられる融資先については対価である金利は低くなる傾向があります。
一方で返済能力が低く貸倒リスクが高いと考えられる融資先については対価である金利は高くなる傾向があります。
赤字決算ということは返済能力の懸念が持たれる状態で貸倒リスクが高い状態です。
このような融資の金利の性格から銀行が赤字決算を理由に融資の金利を引き上げるように交渉を持ち出してくる可能性はあります。

赤字決算になると銀行が融資の金利を引き上げるように求めてくる可能性はある

赤字決算になると担保を入れるように求められる?

赤字決算になると銀行が担保を入れるように交渉をしてくる可能性はあります。
さきほどの繰り返しになってしまいますが、赤字決算というのは融資の返済に懸念が持たれる状態です。
融資が焦げ付く可能性があります。
そのため銀行としてはそのような事態に備えて融資の保全を固める動きをします。
融資の保全で代表的なものは担保です。
万が一に備えて赤字決算になると銀行は担保を求めてくる可能性はあります。
しかし銀行に出す担保がない場合はいくらでもあります。
ないものは出せません。
したがって担保が出せないからといって銀行が融資の返済を求めるというようなことはありません。

赤字決算になると銀行は融資の保全を固めるために担保を求める可能性はある

赤字決算になると連帯保証人を入れるように求められる?

連帯保証人というのはさきほどの担保と同様に融資の保全に該当します。
融資を受けている債務者が返済できない場合に銀行は連帯保証人に返済を求めて融資を回収しようとするわけです。

無保証人融資であれば連帯保証人の追加を求められる

現在の融資が保証人なしの無保証人融資であれば、赤字決算を理由に銀行は連帯保証人を入れるように求める可能性はあります。
原則として銀行が求める連帯保証人は代表取締役などの経営者です。
いくら赤字決算だからといっても経営者以外の第三者の連帯保証人を入れるように銀行が求めてくることはありません。

無保証人融資であれば銀行が連帯保証人を入れるように求める可能性はある

赤字決算の場合の新規銀行融資について

これまでは赤字決算になった場合、現在借入している融資にどのような影響があるかを説明してきました。
今度は赤字決算になった場合に、銀行から新規の融資が受けられるのかどうかという点です。
簡単に整理をします。

赤字決算に対する銀行員の印象

銀行の融資審査でもっとも重要なことは融資した資金がきちんと最後まで返済されるかどうかという点です。
融資した資金がきちんと最後まで返済されるか、回収できるかの判断はいろいろな観点から銀行は行うわけですが、その基本は決算書の数字です。
赤字決算の場合は、基本的には融資が返済できないことを表しています。
赤字決算に対する銀行員の思考は次のとおりです。
銀行員の思考
銀行の融資業務においてもっとも大切なことは融資を最後まで回収することすることです。
この点において赤字決算は融資の返済に懸念が持たれる状態ですから新規の融資には銀行は慎重な姿勢となります。

赤字決算は返済可能性に懸念が持たれる状態のため新規融資に銀行は慎重姿勢


しかしながら銀行は赤字決算だからといって一切新規融資を行わないということもありません。
足元は赤字決算ではあるものの、短期間のうちに黒字回復が期待できる具体的な計画がある場合や、赤字決算の理由が不動産の売却損など本業以外の一過性の要因である場合には赤字決算であっても銀行が新規の融資を行う例はいくらでもあります。

赤字決算の場合の銀行融資への影響のまとめ

以上、赤字決算の場合の銀行の融資への影響についてまとめますと次のようになります。

まとめ

・赤字決算だからといって現在借入している融資の返済を銀行が求めることはない
・赤字決算だからいって現在の融資の返済期間を短くするように銀行が求めることはない
・赤字決算になると融資の金利引き上げを銀行が交渉してくる可能性はある
・赤字決算になると担保を入れるように銀行は求める可能性はある
・赤字決算になると無保証人融資の場合に連帯保証人を入れるように銀行は求めてくる

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