銀行員の決算書分析 債務償還年数

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債務償還年数は銀行員がもっとも重視する指標

債務償還年数という指標があります。
返済可能期間などとも呼ばれています。
この債務償還年数は銀行員がもっとも重視する指標といっても過言ではありません。

債務償還年数というのは簡単に言えば、その会社が借入金を利益で完済するのにどれくらいの期間を要するかということです。
会社の財務上の実力をもっとも適格に表す指標と言ってもよいでしょう。

債務償還年数の計算式

債務償還年数は具体的にはつぎの計算式によって求めることができます。
まず貸借対照表から有利子負債の合計を求めます。
有利子負債=短期借入金+長期借入金+社債+割引手形

つぎの所要運転資金を求めます。
所要運転資金=売掛金+受取手形+割引手形+在庫(商品や原材料など)-買掛金-支払手形

この所要運転資金をさきほどの有利子負債からマイナスします。
ここで所要運転資金を有利子負債からマイナスする理由について補足します。
運転資金というのは会社の事業を継続する上で必要不可欠な資金です。
売上が増加すればするほど基本的に運転資金の必要額は増加します。

運転資金借入は理論上は売上の回収金によって返済されるものです。
しかしながら事業を継続するには当然また仕入れを行わなければなりません。
仕入れを行うには資金が必要なわけで、売上の回収金によって一旦運転資金借入を返済しても、また運転資金の借入が必要になります。

このように運転資金は事業を継続している間は常に必要な資金です。
事業の継続に必要な運転資金まで含めて債務償還年数を算出することはあまりにその会社には不利益です。
したがって所要運転資金は有利子負債の合計からマイナスをするのです。

この有利子負債から所要運転資金をマイナスしたものを会社の理論上のキャッシュフローで何年で返済するかを求めたのが債務償還年数です。

理論上のキャッシュフローは
【税引後当期利益+減価償却費】によって求めます。





整理すると債務償還年数は
(有利子負債合計-所要運転資金)÷理論上のキャッシュフロー
によって求めます。

債務償還年数の例

例えば有利子負債の合計が3,000万円、
所要運転資金が1,000万円、理論上のキャッシュフローが500万円の場合、債務償還年数は(3,000万円-1,000万円)÷500万円=4年ということになります。

つまり上の例の場合は、理論上運転資金借入を除く実質的な借入金は4年で完済することができる、ということになります。

債務償還年数の適正水準

では銀行員はこの債務償還年数がどれくらいであれば良い、あるいは悪いと判断していると思いますか?
答えは10年です。

債務償還年数が10年以内であれば、およそその会社の返済能力を良しと考えます。
10年超であれば、要注意と考えます。

債務償還年数が10年以内であれば、追加の融資に応じやすくなります。
逆に10年超の場合は、追加の融資には慎重になります。

この債務償還年数は実際のところ、その会社の実力をよくあらわしています。
財務内容がよく業績もよい企業は、債務償還年数は10年以内はもちろん、5年以内のところが実務上多いと感じます。

逆に財務内容が悪い企業は、債務償還年数が10年超、20年とか30年といったところもあります。

この債務償還年数は融資先の真の実力をあらわすバロメーターとして銀行員は非常に重視しています。
信用格付にも大きく影響する指標です。

債務償還年数を意識した財務戦略を検討されることをおすすめします。





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