銀行員の決算書分析 売掛債権回転期間
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売掛債権回転期間の算式
売掛債権回転期間はつぎの算式によって求めることができます。
売掛債権回転期間=(売掛金+受取手形+割引手形)÷平均月商
売掛債権回転期間の読み方
売掛債権回転期間とは物を販売したり工事を請け負った時、つまり売上が計上されたときから、実際に現金で売上金を回収するまでのどれくらいの期間がかかっているかをあらわしています。
売掛債権回転期間が短ければ、売上を計上してから現金で回収するまでの期間が短いことをあらわしていますから、販売する側としては資金繰りが楽になります。
逆に売掛債権回転期間が長ければ、売上を計上してから現金で回収するまでの期間が長いことをあらわしていますから、販売する側としては資金繰りが窮屈になります。
売掛債権回転期間は業態によって異なりますが、平均的に売掛債権回転期間は3ヶ月くらいまでが通常です。
つまり売上を計上してからおよそ3ヶ月後には現金として回収出来るのが通常です。
売掛債権回転期間の銀行の見方
売掛債権回転期間が3ヶ月超となると銀行は警戒心を抱きます。
売掛債権回転期間が6ヶ月超となれば銀行は異常値とみてその原因を徹底的に調べます。
銀行はこの売上債権回転期間の数値を同じ業界平均と比べて、長いのか短いのか、また数年間の傾向として売掛債権回転期間がほぼ同じ数値で推移しているのか、それとも長くなっているのか短くなっているのかを見ます。
通常、販売する側と仕入れする側の回収・支払条件は変わることはありません。
したがって売掛債権回転期間はほとんど毎期毎期同じような値であることは通常です。
銀行は売掛債権回転期間が短くなっていることについてはそれほど気にしません。
なぜなら販売する側としては売掛債権回転期間が短くなるということは、今までよりも早く現金回収できているわけですから、資金繰りにはプラスに働くからです。
売掛債権回転期間が長期化している場合は要注意
銀行が注意を払うのは売掛債権回転期間が長くなっている場合です。
売掛債権回転期間が長期化しているということは、販売する側としては現金として売上を最終的に回収するまでの期間が長くなっているということですから、資金繰りをきつくすることにつながります。
資金繰りがきつくなるということはお金を融資している銀行としては、融資金の回収可能性が低下することにつながりますから注意を払うのです。
このほかに銀行が売掛債権回転期間が長期化していることに注意を払う理由としてはつぎの2つがあります。
1つは不良売掛金の混在です。
販売先が倒産などして売掛金が不良化しているのではないかということです。
売掛金が不良化しているということはいつまでたっても売掛金として計上されたままですから、当然売上債権回転期間は表面上長期化していきます。
銀行の財務分析においては、毎期毎期同じ金額で同じ販売先のものが売掛金として計上されている場合には、これを不良債権として売掛金から控除して実態的な財務分析を行っています。
もう1つは架空売上による粉飾決算の疑いです。
架空の売上を計上し、架空の売掛金を計上する手口です。
表面上の決算書をよく見せるためにしばしば行われる手口ですが、銀行が粉飾を見つけた場合、まず二度とその融資先には新たな融資を行うことはありません。
ひたすら回収をせまるだけです。
売掛債権回転期間の数値は通常はほどんと変化しません。
逆に変化しているということは融資先に何か今までとは違う異常事態が起こっているのでないか?と銀行は考えます。
そうなると銀行はそれが解明されない限り、新規融資には慎重になります。
業務の形態が変わったなどにより販売・回収条件が変化している場合は銀行にその旨伝えてください。
合理的な理由があれば銀行はきちんと理解します。
理由がないにも関わらず、売上債権回転期間が相当変化している場合は、銀行の警戒心は増幅されます。
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