銀行融資申込事例4 運転資金 グループ間貸借 資金使途 転貸資金


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グループ会社の中核企業から運転資金借入の申し出があります。
中核企業を含めてこのグループには計3社のグループ会社があります。
3社のそれぞれの業務は異なりますが、社長は同一人物です。

これだけではよくあることで特段問題はないのですが、1点悩ましいところがあり、それはこの3社で資金の貸し借りが大量に行われていることです。
今回このグループ会社から運転資金の申し出があるのですが、グループ間で資金の貸し借りがある場合、運転資金として融資したお金が本当に仕入資金や人件費などの運転資金に使用されているかどうか、疑問を持ってしまいます。

今、私たち銀行員は以前もそうでしたが、従来以上に資金使途に神経をとがらせています。
銀行融資の代表的な資金使途には運転資金、設備資金、決算資金、賞与資金の4つがありますが、この融資の使途どおりに使われているかどうかを注意しているのです。

というのは、融資した使途以外に資金が使われた場合、経験則上、その会社の業績が悪くなる、また資金繰り破綻に至るケースが多いためです。
例えば運転資金として借り入れしたお金を借入金の返済のために使用したとします。

となると本来必要であった仕入れ資金や人件費などの運転資金が不足することになります。
仕入れや人件費の支払をストップさせることは出来ません。
ストップするということは会社そのものがストップするということですから。

そのため必要な運転資金をまた本来は別の目的で使用すべきところから引っ張ってくることになります。
そうすると全体として資金繰りが逼迫してくることになります。
資金繰りが逼迫するということは銀行への返済も逼迫することになり、延滞の発生などにつながるわけです。

こういった面があることやそもそもの銀行融資の管理の面からも、私たち銀行員は融資したお金の資金使途には神経をとがらせているわけです。

こういう状況下のなかで、グループ会社間で資金の貸し借りがある場合、運転資金として融資したお金が別の会社への貸付金、つまり転貸資金に流用されることが大いに懸念されます。

転貸資金は厳禁です。
その理由はいろいろありますが、つぎの2つが大きな理由です。
まず1つめは結果として業績の悪い企業へ融資することと同じことだからです。

もし転貸を受ける会社、つまりお金を借りる会社へ私たちが融資することが出来れば、そもそも転貸という問題は起きません。
私たちも可能であればお金を借りる会社へ融資が出来ればと思います。
ただ業績が悪いなどの理由で融資することが出来ないため、別の会社が資金調達をして、私たちが融資できない会社に資金を融通するわけです。

つまり回りまわって私たちは、本来融資不可能な会社に融資を行っているのと同じことになります。

2つめは資金繰りの悪化につながることです。
転貸する会社は銀行が融資が難しいと判断した会社にお金を貸すことになります。
実務上多いことですが、転貸する会社はそのお金を回収することが難しくなります。
となると転貸する会社はその会社には何ら貢献しない資金を借入することになり、その後の返済が資金繰りに負担を及ぼすことになります。

資金繰りに負担を及ぼすということは私たち銀行としては、融資したお金の回収可能性が乏しくなるということです。

グループ会社に融資を検討する場合、私たち銀行員はグループ間の資金の貸借の有無を必ず確認します。
グループ会社間の資金の貸借が存在しても、それが年々減少していれば、融資金が流用される危険性が少ないですからまだ良いのですが、年々増加している、あるいはほとんど変化がない場合、融資審査は非常に厳しいものになります。

今後のグループ間の資金の貸借の解消について、具体的かつ合理性のある説明が受けられない限り、原則運転資金であろうが決算資金であろうが、新規融資は困難となるのが基本です。

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