創業資金や新規事業の資金を銀行に申し込む際、事業計画書の提出を求められることがあります。
事業計画書を作成する経営者の方の中には、次のような疑問を持つ方もいるでしょう。
- 銀行は事業計画書のどこを重視しているのか
- どのような事業計画書なら融資審査で評価されるのか
- 売上や利益の計画はどの程度詳しく記載すればよいのか
- 事業経験が少なくても融資を受けられるのか
- 銀行が信用する事業計画書と信用しない事業計画書の違いは何か
結論から申し上げると、銀行が事業計画書で特に重視するのは、経営者の経験、取引先、必要資金と調達方法、売上・利益計画の根拠という4つのポイントです。
事業計画書がきれいに作成されていることよりも、計画している事業が実際に成立するのか、融資した資金を返済できるのかを銀行は確認しています。
例えば、売上高や利益が大きくなる計画を作成しても、その数字に具体的な根拠がなければ、銀行は計画どおりに事業が進むとは考えません。
反対に、売上計画が控えめであっても、取引先や販売数量、販売価格などの根拠が明確であれば、銀行は計画の実現可能性を検討しやすくなります。
この記事では、長年の法人融資・融資審査の実務を踏まえ、銀行が事業計画書のどこを確認し、どのような点を融資判断の材料としているのかを具体的に解説します。
事業計画書とは何か
事業計画書とは、これから行う事業の内容や実施方法、必要な資金、売上・利益の見通しなどをまとめた資料です。
創業時や新規事業を立ち上げる際に作成することが多く、銀行に融資を申し込む場合にも重要な資料になります。
銀行にとって事業計画書には、主に次の3つの役割があります。
1. どのような事業を行うのかを確認する
銀行は事業計画書から、会社がどのような商品やサービスを提供し、誰に販売するのかを確認します。
また、その事業を行うために必要な経験や人員、設備、取引先などが確保されているかも確認します。
2. 融資資金の必要性を確認する
銀行は融資した資金が何に使われるのかを確認します。
例えば、店舗の内装工事、厨房設備の購入、商品の仕入れ、人件費など、資金の使い道によって必要な金額や融資期間は異なります。
そのため、事業計画書には必要資金の内容と金額を具体的に記載する必要があります。
3. 融資の返済可能性を確認する
銀行が融資審査で重視するのは、融資した資金が返済されるかどうかです。
事業計画書には売上高や利益の見通しを記載しますが、銀行はその数字をもとに、借入金を返済できる見込みがあるかを検討します。
事業計画書は、事業の内容を説明する資料であると同時に、銀行に返済可能性を説明する資料でもあります。
事業計画書には決まった書式があるのか
事業計画書には、すべての銀行で共通する決まった書式があるわけではありません。
銀行によって独自の様式が用意されている場合もありますが、会社が作成した任意の書式を利用できる場合もあります。
ただし、銀行が指定する様式や提出資料がある場合には、その指示に従ってください。
創業融資では、日本政策金融公庫の創業計画書が参考になります。
日本政策金融公庫の創業計画書には、創業の動機、経営者の略歴、取扱商品・サービス、取引先、必要資金、事業の見通しなど、銀行が確認したい基本的な項目が含まれています。
この記事では、日本政策金融公庫の創業計画書を例に、銀行がどこを重視しているのかを説明します。
なお、以下の画像は元記事で使用していた創業計画書の様式例です。現在使用する際には、提出先が指定する最新の様式を確認してください。
事業計画書の主な記載項目
創業計画書には、一般的に次のような項目があります。
- 創業の動機
- 経営者の略歴等
- 取扱商品・サービス
- 取引先
- 従業員
- 借入れの状況
- 必要な資金と調達方法
- 事業の見通し
これらの項目は、銀行が事業の実現可能性や融資の返済可能性を判断するための材料になります。
特に、次の4項目は融資審査で重要です。
銀行が特に重視する4つのポイント
- 経営者の略歴・経験:計画している事業を実行できる能力があるか
- 取引先:仕入先や販売先が確保され、事業を開始できるか
- 必要な資金と調達方法:資金計画に無理がないか
- 事業の見通し:売上・利益計画に根拠があり、融資を返済できるか
以下、それぞれの項目について、銀行がどのように確認しているのかを説明します。
事業計画書の創業の動機で銀行が見るところ

創業の動機は、なぜその事業を始めようと考えたのかを記載する項目です。
例えば、次のような内容が考えられます。
- これまでの経験を生かして独立したい
- 特定の商品やサービスに需要があると考えた
- 既存の取引先から独立後の受注を見込める
- 地域に不足しているサービスを提供したい
この項目では、創業を決意した理由を率直に記載することが基本です。
ただし、単に「以前から独立したかった」「自分の店を持ちたかった」という説明だけでは、事業の実現可能性までは伝わりません。
例えば、飲食店を開業するのであれば、これまでの飲食業での経験や、開業予定地で需要が見込める理由などを説明するとよいでしょう。
銀行が創業の動機だけで融資の可否を判断することは通常ありませんが、経営者の経験や事業内容との一貫性は確認されます。
銀行が重視するポイント1:経営者の略歴・経験

経営者の略歴や経験は、銀行が事業計画書で特に重視する項目の1つです。
銀行が確認するのは、単にこれまでどの会社に勤務していたかということではありません。
これまでの経験が、今回の事業にどのように生かされるのかという点です。
同じ業種での経験があると銀行は評価しやすい
例えば、ラーメン店を開業する2人の経営者がいたとします。
1人は、大手ラーメンチェーンで長年勤務し、店長として店舗運営や従業員管理、仕入れなどを経験してきた人です。
もう1人は、不動産会社で営業を続けてきたものの、ラーメンが好きという理由で飲食店を開業しようとしている人です。
一般的に銀行が事業の実現可能性を評価しやすいのは、前者でしょう。
なぜなら、前者にはラーメン店を運営するために必要な経験があるからです。
飲食店では、調理技術だけでなく、仕入れ、原価管理、人員配置、衛生管理、売上管理などが必要になります。
こうした実務を経験していることは、事業計画の実現可能性を判断する材料になります。
経営者の略歴には事業に生かせる経験を書く
経営者の略歴を記載する際には、勤務先や勤務年数だけでなく、次のような内容も具体的に記載するとよいでしょう。
- 今回の事業に関連する業務経験
- 担当していた仕事内容
- 管理していた売上高や店舗規模
- 部下や従業員の管理経験
- 仕入れや販売に関する経験
- 取得している資格や専門技術
- 既存の取引先との関係
例えば、単に「飲食店勤務10年」と記載するよりも、次のように説明した方が具体的です。
「ラーメンチェーン店で10年間勤務し、そのうち5年間は店長として店舗運営を担当しました。月商800万円規模の店舗で、仕入れ、原価管理、従業員の採用・教育、売上管理を経験しています」
このような説明があれば、銀行は経営者の事業運営能力を判断しやすくなります。
未経験の業種でも融資を受けられるのか
未経験の業種で創業する場合、銀行は事業の実現可能性を慎重に確認する傾向があります。
ただし、未経験だからといって必ず融資が受けられないわけではありません。
例えば、経験のある従業員を採用する、専門家の支援を受ける、開業前に必要な研修を受けるなど、不足している経験を補う方法があります。
銀行に対しては、経験不足をどのように補い、事業を運営していくのかを説明することが重要です。
事業計画書の取扱商品・サービスで銀行が見るところ

取扱商品・サービスの欄には、今回の事業で提供する商品やサービスの内容を記載します。
銀行は、どのような商品やサービスを誰に販売し、どのように利益を得るのかを確認します。
例えば、ラーメン店を開業する場合には、次のような内容です。
- 主力商品の種類
- 販売価格
- 主な顧客層
- 店舗の立地
- 営業時間
- 競合店との違い
- 集客方法
銀行が知りたいのは、単に「おいしいラーメンを提供する」ということではありません。
その商品やサービスに需要があり、顧客が実際に購入する見込みがあるかという点です。
特に、競合する商品やサービスが多い場合には、自社が選ばれる理由を説明できるようにしておくことが重要です。
銀行が重視するポイント2:仕入先・販売先などの取引先

取引先の欄も、銀行が重視する項目です。
事業を行うためには、商品や原材料の仕入先、販売先、外注先などが必要になることがあります。
銀行は、これらの取引先が確保されているかどうかを確認します。
仕入先が確保されているか
例えば、飲食店を開業する場合には、食材や飲料などの仕入先が必要です。
製造業であれば、原材料や部品の仕入先が必要になります。
仕入先が決まっていなければ、事業を予定どおり開始できない可能性があります。
そのため、銀行は仕入先の名称、取引条件、仕入れの見通しなどを確認することがあります。
販売先が確保されているか
銀行が特に注目するのは、売上が実際に発生する見込みがあるかという点です。
例えば、法人向けの製造業や卸売業であれば、すでに取引予定先が決まっていることは重要な判断材料になります。
取引先との契約書、発注書、見積依頼書などがあれば、売上計画の根拠を説明しやすくなります。
ただし、契約書があるからといって、必ず計画どおりの売上が実現するわけではありません。
銀行は取引先の状況や受注の継続性なども確認します。
取引先が決まっていない場合はどうするか
創業前の段階では、販売先がまだ決まっていない場合もあります。
特に、飲食店や小売店などでは、開業前から顧客を確保することが難しい場合があります。
その場合には、商圏の人口、競合店の状況、店舗の立地、集客方法などから、売上が見込める理由を説明することが重要です。
銀行は、販売先が決まっているかどうかだけでなく、売上計画を実現するための具体的な準備ができているかを確認しています。
事業計画書の従業員欄で銀行が見るところ

従業員の欄には、事業を行うために必要な人員を記載します。
銀行は、計画している事業を運営するために必要な従業員が確保できるかを確認します。
例えば、飲食店であれば、調理担当者、接客担当者などが必要になる場合があります。
製造業であれば、製造担当者や品質管理担当者などが必要になることがあります。
人員が不足すれば、計画している売上を実現できない可能性があります。
そのため、銀行は従業員数だけでなく、採用予定や人件費の計画についても確認することがあります。
特に、人件費は事業の利益に大きく影響するため、売上計画との整合性が重要です。
事業計画書の借入状況で銀行が見るところ

借入状況の欄には、既存の借入金について記載します。
銀行は、既存の借入金残高や返済額を確認し、新たな融資を受けた後も返済を継続できるかを検討します。
特に創業融資では、事業からの収入がまだ十分に発生していない場合があるため、既存の返済負担も重要な確認項目です。
既存借入金は正確に記載する
借入金がある場合には、借入先、借入残高、毎月の返済額などを正確に記載してください。
銀行や日本政策金融公庫などの融資機関は、必要な手続きや同意を得たうえで、利用可能な信用情報などを確認する場合があります。
したがって、借入金を隠して申告することはおすすめできません。
申告内容と確認できた情報に相違があれば、銀行が申込内容の信頼性に疑問を持つ可能性があります。
既存借入金は隠さず、正確に申告することが重要です。
銀行が重視するポイント3:必要な資金と調達方法

必要な資金と調達方法は、銀行が融資審査で特に重視する項目です。
この項目では、事業を始めるために必要な資金と、その資金をどのように調達するかを記載します。
例えば、店舗を開業する場合には、店舗の内装工事費、設備購入費、開業時の仕入資金、開業後の運転資金などが必要になります。
必要資金は具体的な根拠を示す
銀行は必要資金の金額が妥当かどうかを確認します。
例えば、店舗の内装工事費が1,000万円であれば、工事業者の見積書などで金額の根拠を確認することがあります。
厨房設備の購入費であれば、設備の見積書などが必要になる場合があります。
運転資金については、仕入代金、人件費、家賃など、事業開始後に必要となる支払いをもとに計算します。
銀行が確認したいのは、融資希望額が実際の資金需要に見合っているかどうかです。
必要資金と調達方法の計算例
例えば、飲食店の開業に必要な資金が次のとおりだったとします。
| 必要な資金 | 金額 |
|---|---|
| 店舗内装工事 | 800万円 |
| 厨房設備 | 300万円 |
| 開業時の仕入資金 | 100万円 |
| 開業後の運転資金 | 300万円 |
| 合計 | 1,500万円 |
この1,500万円を、次のように調達する計画だったとします。
| 調達方法 | 金額 |
|---|---|
| 自己資金 | 500万円 |
| 銀行融資 | 1,000万円 |
| 合計 | 1,500万円 |
必要資金と調達方法の合計は一致している必要があります。
また、銀行は自己資金が実際に準備されているかどうかも確認します。
自己資金の額だけでなく、その形成過程や、開業後に手元資金がどの程度残るかも重要です。
自己資金が少ない場合の銀行の考え方
自己資金が少ない場合、銀行は借入金への依存度が高いことを懸念する場合があります。
なぜなら、開業後の売上が計画を下回った場合に、手元資金が不足しやすくなるからです。
ただし、自己資金が少ないからといって、すべての融資が否決されるわけではありません。
事業経験、売上の見通し、資金計画、返済能力などを総合的に判断します。
銀行が重視するポイント4:事業の見通しと売上・利益計画の根拠

事業の見通しは、銀行が事業計画書の中でも特に重視する項目です。
ここでは、創業後の売上高、売上原価、経費、利益などを計画します。
銀行は、この計画をもとに、事業が継続できるか、借入金を返済できるかを検討します。
売上計画は根拠が重要
事業計画書では、売上高を大きく見せた方が融資を受けやすいと考える経営者の方もいるかもしれません。
しかし、銀行は売上計画の数字をそのまま信用するわけではありません。
例えば、開業後の月商を500万円と計画していても、その数字に根拠がなければ実現可能性を判断できません。
銀行が確認するのは、なぜ月商500万円を達成できると考えているのかという点です。
飲食店の売上計画の具体例
例えば、ラーメン店を開業する場合、売上高は次のように計算できます。
月間売上高=1日の来客数×平均客単価×月間営業日数
1日の来客数が100人、平均客単価が1,000円、月間営業日数が25日であれば、次のようになります。
100人×1,000円×25日
=月商250万円
このように計算すれば、売上高の根拠を具体的に説明できます。
ただし、銀行は1日100人の来客が実現可能かどうかも確認します。
例えば、店舗の立地、周辺人口、競合店の状況、席数、営業時間、回転率などが判断材料になります。
そのため、単に計算式を示すだけでなく、来客数や客単価を見込む根拠も説明することが重要です。
売上計画は楽観的な数字だけにしない
事業計画書では、売上や利益を大きく見せようとすることがあります。
しかし、銀行は計画の数字が現実的かどうかを確認しています。
そのため、根拠のない楽観的な売上計画は、かえって事業計画書の信頼性を低下させる可能性があります。
銀行に説明する際には、合理的な根拠に基づいた計画を作成することが重要です。
また、計画どおりに売上が伸びなかった場合の資金繰りも考えておくとよいでしょう。
売上だけでなく利益の計画も重要
売上が増加しても、仕入原価や人件費などの経費が大きければ利益は残りません。
銀行は売上計画だけでなく、利益がどの程度残るのかも確認します。
例えば、月商250万円のラーメン店で、売上原価や人件費、家賃などの経費が月額220万円だったとします。
この場合、月間の利益は30万円です。
ただし、この利益から借入金の元金返済を行う場合には、実際の資金繰りを別途確認する必要があります。
また、経営者の生活費に相当する支出や税金、設備の更新費用なども考慮する必要があります。
銀行は事業計画書の返済計画をどのように確認するのか
銀行融資では、事業計画書に記載された利益だけでなく、借入金を返済できるだけの資金が生み出されるかどうかが重要です。
銀行は融資した資金を、契約どおりに返済してもらう必要があるためです。
利益と借入金返済額を比較する
例えば、年間の利益が300万円、減価償却費が100万円の会社を考えます。
簡便的に利益と減価償却費を合計すると400万円です。
一方、年間の借入金元金返済額が500万円だった場合、返済負担が重い可能性があります。
ただし、利益と減価償却費の合計だけで実際の返済可能額が決まるわけではありません。
税金、運転資金の増減、設備投資などによって、手元に残る資金は変わるためです。
銀行はこれらの要素も踏まえて、返済可能性を判断します。
売上が計画を下回った場合の資金繰りも確認する
創業時や新規事業では、売上が計画どおりに伸びないこともあります。
そのため、銀行は売上が計画を下回った場合にも、事業を継続できるかどうかを確認することがあります。
例えば、月商250万円を計画している場合、月商200万円になったときの資金繰りを試算しておくとよいでしょう。
売上が減少しても、家賃や一定の人件費などの固定費は発生します。
そのため、売上が計画を下回った場合に、どの程度の資金不足が生じるのかを把握しておくことが重要です。
銀行融資・資金繰りのメール相談
「事業計画書を作成したが銀行がどこを重視するのか分からない」「売上計画や返済計画に不安がある」「新規事業の融資を申し込みたい」といったお悩みはありませんか。
銀行融資では、事業計画書の数字だけでなく、その根拠や実現可能性を説明することが重要です。
事業計画書に基づく融資審査や資金繰りについてお悩みの方は、メール相談をご利用ください。
※融資の承認・実行を保証するものではありません。
銀行が信用しにくい事業計画書の特徴
事業計画書を作成する際には、銀行がどのような点に疑問を持つのかを理解しておくことも重要です。
銀行が事業計画書の実現可能性に疑問を持つ代表的なケースを紹介します。
1. 売上計画に具体的な根拠がない
「開業後は毎月売上が増加する予定です」と記載されていても、その根拠が示されていなければ銀行は判断できません。
売上計画には、販売数量、販売単価、顧客数、受注見込みなどの根拠が必要です。
2. 経費の見積もりが少なすぎる
売上計画が現実的であっても、経費の見積もりが少なすぎれば利益計画は過大になります。
特に、人件費、家賃、広告宣伝費、仕入原価などが適切に見込まれているかを確認する必要があります。
3. 必要資金の根拠が不明確
設備資金や運転資金の金額に具体的な根拠がない場合、銀行は融資希望額が妥当かどうか判断しにくくなります。
設備資金であれば見積書、運転資金であれば支払予定や資金繰り予定表などを準備することが重要です。
4. 経営者の経験と事業内容が結び付いていない
新しい事業を行うために必要な経験や技術が不足している場合、銀行は事業の実現可能性を慎重に確認します。
未経験の場合には、経験不足をどのように補うのかを説明することが必要です。
5. 借入金の返済計画が不十分
利益計画が示されていても、借入金の返済額や資金繰りが考慮されていなければ、返済可能性を判断できません。
銀行に対しては、事業の利益と借入金の返済負担を整理して説明することが重要です。
銀行に評価される事業計画書を作成するための5つの対策
事業計画書の作成では、見た目を整えること以上に、事業の実現可能性を具体的に説明することが重要です。
1. 経営者の経験を具体的に説明する
経営者の略歴には、今回の事業に関連する経験や実績を記載してください。
勤務先や勤務年数だけでなく、担当業務や実績を示すことで、銀行が事業運営能力を判断しやすくなります。
2. 売上計画の根拠を数字で示す
売上高の計画には、販売数量、販売単価、顧客数、営業日数などの根拠を示してください。
銀行が確認したいのは、売上計画の数字がどのように計算されているのかという点です。
3. 必要資金を明確にする
設備資金や運転資金について、必要な金額と使い道を整理してください。
設備資金であれば見積書、運転資金であれば資金繰り予定表などを準備すると、銀行に説明しやすくなります。
4. 売上が計画を下回った場合も考える
創業時や新規事業では、計画どおりに売上が伸びない可能性があります。
そのため、売上が計画を下回った場合の利益や資金繰りも確認しておくことをおすすめします。
事業計画書には、売上が伸びなかった場合の対応策を整理しておくとよいでしょう。
5. 返済計画と資金繰りを確認する
事業計画書に利益が計上されていても、借入金の返済負担が大きければ資金繰りが厳しくなることがあります。
そのため、年間の借入金返済額と事業から生み出される資金を比較し、返済できる見通しがあるかを確認してください。
銀行が評価しやすい事業計画書とは、売上や利益の数字が大きい計画書ではなく、数字の根拠と返済可能性を具体的に説明できる計画書です。
事業計画書の提出後に銀行から質問されやすいこと
事業計画書を銀行に提出すると、担当者から内容について質問されることがあります。
主な質問は次のようなものです。
- なぜこの事業を始めようと考えたのですか
- 今回の事業に関連する経験はありますか
- 販売先や仕入先は確保できていますか
- 売上高の計画はどのように計算しましたか
- 競合する事業者と比較した強みは何ですか
- 設備資金や運転資金はいくら必要ですか
- 自己資金はどのように準備しましたか
- 売上が計画を下回った場合はどうしますか
- 借入金はどのように返済する予定ですか
銀行の担当者は、事業計画書の内容を確認しながら、経営者自身が事業の内容や数字を理解しているかを確認します。
そのため、税理士や専門家の支援を受けて事業計画書を作成した場合でも、経営者自身が内容を説明できるようにしておくことが重要です。
事業計画書に関するよくある質問
Q1. 銀行は事業計画書のどこを一番重視しますか?
融資の種類や事業の状況によって異なりますが、経営者の経験、取引先、必要資金と調達方法、売上・利益計画の根拠は重要な確認項目です。
特に、事業の実現可能性と融資の返済可能性が重視されます。
Q2. 事業計画書の売上は高く見積もった方が融資を受けやすいですか?
売上を高く見積もれば融資を受けやすくなるわけではありません。
銀行は売上計画の根拠を確認するため、実現可能性の低い数字はかえって計画の信頼性を低下させる可能性があります。
Q3. 事業経験がない場合でも創業融資を受けられますか?
未経験だからといって、必ず融資が受けられないわけではありません。
ただし、銀行は事業の実現可能性を慎重に確認します。
必要な経験をどのように補うのか、具体的に説明することが重要です。
Q4. 事業計画書は税理士や専門家に作成してもらってもよいですか?
税理士や専門家の支援を受けて作成することはできます。
ただし、銀行との面談では経営者自身が事業計画の内容を説明できることが重要です。
Q5. 事業計画書があれば銀行融資は受けられますか?
事業計画書を提出しただけで融資が決まるわけではありません。
銀行は事業計画書の内容に加え、経営者の経験、自己資金、信用状況、返済可能性などを総合的に確認します。
Q6. 創業計画書と事業計画書は違うものですか?
創業計画書は、これから事業を始める際の計画をまとめたもので、事業計画書の一種と考えることができます。
一方、事業計画書は創業時だけでなく、既存企業が新規事業を始める場合や事業拡大を計画する場合にも作成します。
銀行が事業計画書で見ているところのまとめ
銀行は事業計画書を通じて、計画している事業が実際に成立するのか、融資した資金を返済できるのかを確認しています。
特に、経営者の経験、取引先、必要資金と調達方法、事業の見通しは重要な項目です。
銀行が事業計画書で重視する4つのポイント
- 経営者の略歴・経験:今回の事業を運営するための経験や能力があるか
- 取引先:仕入先や販売先が確保され、売上を実現できる見込みがあるか
- 必要な資金と調達方法:必要資金の金額に根拠があり、資金計画に無理がないか
- 事業の見通し:売上・利益計画に具体的な根拠があり、借入金を返済できるか
事業計画書では、売上や利益を大きく見せることよりも、計画の実現可能性を説明することが重要です。
また、創業後や新規事業開始後には、事業計画と実績を定期的に比較し、計画との違いを把握することも大切です。
例えば、月次試算表や資金繰り表を活用して、売上や利益、借入金返済の状況を確認することで、経営上の問題を早めに把握できます。
銀行に提出するためだけの事業計画書ではなく、事業開始後も経営管理に活用できる計画書を作成することが、安定した経営と円滑な銀行取引につながります。
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