資金繰りを良くする方法はここにある

会社等の事業者の資金繰り事情は様々ですが、いつも資金繰りが苦しいと訴える事業者も少なくありません。
資金繰りがいつも苦しいにはそれなりの理由があり、その理由にメスを入れないといつまで経っても資金繰りが苦しいということになります。
資金繰りを良くする方法について融資担当の銀行員が説明をします。

資金繰りを良くする方法は資金の使い方を変えること

いつも資金繰りが苦しい状況から根本的に資金繰りを良くするには資金の使い方を変える必要があります。
資金の使い方を変える、これが資金繰りを良くする方法の第一です。

どのように変えるかは資金が固定することを避ける、資金が寝てしまうことを避けて資金がぐるぐると回る状態にすることです。

収入を増やす・支出を減らす手段は小手先の改善策です

資金繰りを良くするといってもどこから手を付けていいかわからないと思います。
そもそも資金繰りは収入－支出の資金繰りにおいて収入＞支出の状態になるようにすれば資金繰りを良くすることができます。
欲を言えば収入＞支出の状態をより拡大する、つまり手元に残る資金量が多くなるようにすれば安定的に資金繰りを良くするすることができます。
収入を増やす一番の方法は売上を伸ばすことです。
一方で支出を減らすには仕入値を相手方と交渉して値下げしてもらう、人件費や家賃に代表される経費を減らすというのは代表的なものでしょう。

売上増加・支出削減は容易ではない

しかし、売上を伸ばすといっても決して簡単ではないはずです。
仮に伸ばせたとしてもずっとその水準を維持するのは困難ではないでしょうか。
不景気に直面して売上が逆に減ってしまう時期も必ずあるはずです。
また仕入先と仕入値の値下げを交渉するといっても相手があることですから、こちらの思うようにいくかどうかは全く不透明です。
さらに人件費や家賃を減らすといっても当然限界はあります。
このように収入を増やす、支出を減らすというのはもちろん資金繰りを良くするにあたって手を付けなければいけない事柄ですが、これは一時的に資金繰りを良くすることになる可能性が高いです。
もっと抜本的に資金繰りを良くする方法を考える必要があります。
抜本的に資金繰りを良くすることに成功すれば、その後は収入や支出の増減にも耐えられる、つまり抵抗力がつきます。
いつも頭のなかで資金繰りのことを考える必要も少なくなり気持ち的に大いに楽になります。

お金の使い方を見直すことが資金繰りを良くする方法

根本的に資金繰りを良くする方法はずばり資金の使い方を見直すことです。
根本的に資金繰りを良くする方法を見つけるにはどこに着目すれば良いか・・・。
ずばりそれは貸借対照表です。

次の表をご覧ください。
貸借対照表の一例です。
ご覧になったことがあると思います。

貸借対照表の左側に注目

資金繰りを良くする方法を見つけるには貸借対照表の左側をご覧ください。
オレンジ色に色付けされている部分です。
つまり資産の部ですね。
貸借対照表の左側には資産が掲載されていて、文字通りこの会社の資産明細が掲載されています。
しかしここでは資産の内容を見つめていただくのではなく、資金の使い方の切り口で貸借対照表の左側を見ていただきたいのです。
資産を獲得するには資金がかかったはずです。
土地の項目に143,997千円の数字が記載されていますが、これは土地という資産を手に入れるために143,997千円の資金を使ったということです。
土地という資産を手に入れるために1億円を超す多額の資金を投入したわけです。
さてこの金額をもったいないと見るかそうでもないと見るかは土地の活用度合いに左右されます。
土地が十分に活用されてこの会社の事業に不可欠なものとなっているのであれば、1億円を超す資金の投入は仕方ないと考えられます。
しかし土地が遊んでいる状態であればもったいない、投入した資金がもったいないということになります。
土地以外の項目についても同様の考え方ができます。
要するに資金の使い方に無駄がないかどうかをチェックするわけです。

土地以外の項目

土地以外の項目で資金繰りを圧迫する代表的な要因は次の通りです。

上に掲載した例はとにかく資金が固定化する傾向にあります。
資金はぐるぐると回ることで事業に収益をもたらすことになります。
しかし上に挙げた例はいずれも資金がぐるぐる回ることはなく、逆に資金が固定化する、資金が寝てしまう原因となります。
さきほどの土地は資金が固定化する、資金が寝てしまうもっとも代表的なものです。
資金繰りを良くする方法はとにかく資金がぐるぐると回すこと、資金の固定化、資金が寝てしまうことは徹底的に排除することです。

資金繰りを良くする方法のまとめ

以上、資金繰りを良くする方法についてまとめますと次のようになります。