中小企業や自営業者の方が銀行から融資を受けるにあたって、必ずといっていいほどに登場してくるのが信用保証協会です。
大半の中小企業や自営業者の方が銀行から信用保証協会保証付の融資を利用してます。
信用保証協会とは何か、どのような利用のメリットがあるのかなどについて融資担当の銀行員が説明をします。
目次
信用保証協会の役割
この図は東京信用保証協会のホームページに掲載されているもので、信用保証の制度の仕組みを図解したものです。
信用保証協会とは保証人になってくれる公的機関
この信用保証協会ですが、その中心的な役割は簡単に言うと銀行から融資を受けるにあたって保証人になってくれるという点です。
つまり中小企業や自営業者が銀行から融資を受ける際に、銀行に対する保証人になってくれるのです。
信用保証協会は民間の機関ではなく「信用保証協会法」という法律に基づいて設立されている公的機関です。
「保証人になってくれる」というと何か不安な気持ちになる方もいらっしゃるかと思いますが、この信用保証協会は公的機関ですから安心です。
中小企業や個人事業主には必要不可欠な信用保証協会
中小企業や個人事業主は上場企業などの大企業に比べて、どうしても景気に左右されやすく、かつ財務基盤が脆弱です。
財務基盤が脆弱であるということは融資の返済能力が弱いということです。
そのため中小企業や個人事業主に銀行が融資するのは大企業に比べて貸倒リスクが高いと考えられます。
貸倒リスクが高いと銀行は大企業には融資しても中小企業や個人事業主には融資を控えることになってしまいます。
これでは中小企業や個人事業主には資金が回らなくなってしまいます。
そこで公的な信用保証協会が銀行への保証人になることで、銀行が中小企業や自営業者に融資をしやすくしているわけです。
公的機関である信用保証協会が融資の保証人になってくれるのであれば、貸倒リスクが高い中小企業や個人事業主にも銀行は安心して融資を行うことができます。
中小企業や個人事業主もスムーズに融資により資金調達が可能となります。
信用保証協会は各都道府県にある
信用保証協会は全国の各都道府県に１つ以上は必ずあります。
例えば東京には東京信用保証協会が、福岡県には福岡県信用保証協会があります。
信用保証協会の利用方法
信用保証協会では中小企業や個人事業主の資金調達を支援するためにさまざまな保証制度を設けています。
この信用保証協会の保証制度を使って銀行から融資を受けるには信用保証協会に対して保証の申し込みを行う必要があります。
信用保証協会の利用方法
信用保証協会の保証制度を利用して銀行から融資を受けたい場合、信用保証協会に直接申し込むことも出来ますが多くの場合は融資を受ける予定の銀行経由にて申込手続きを行います。
銀行から信用保証協会の申し込み手続きを案内してくれます。
そして基本的に申し込みをした事業者が信用保証協会と直接やり取りする必要はありません。
信用保証協会から質問があればそれは申し込みを取り次いだ銀行に対して行われます。
もちろん信用保証協会への回答は銀行が行います。
信用保証協会での審査
信用保証協会の保証制度は必ず利用できるわけではありません。
信用保証協会では保証の申し込みを受け付けると保証を行うかどうかの審査を行っています。
信用保証協会の審査は基本的に銀行が行う融資の審査の同じ目線です。
ただし信用保証協会の審査の難易度ですが、一般的には銀行の融資審査よりもゆるやかと考えてください。
信用保証協会の利用の全体の流れ
この図は信用保証協会の保証制度を使った融資を利用する場合の全体の流れを示したものです。
銀行に融資の相談を行い、銀行経由で信用保証協会に保証の申し込み。
信用保証協会の審査と銀行での審査を経て融資が実行されるという流れです。
信用保証協会利用の時間軸
信用保証協会の保証制度の利用が初めて場合には、銀行に融資の相談を行ってから融資が実行されるまでおよそ1ヶ月半から2ヶ月の時間を要します。
信用保証協会の利用が2回目以降の場合には2週間から3週間程度で融資の実行が行われます。
銀行に融資の返済ができなくなった場合
銀行から信用保証協会の保証付融資を受けたものの、途中で融資の返済ができなくなった場合にはどうなるのでしょうか。
この場合には銀行が信用保証協会に対して保証人として融資の返済を行うように請求します。
信用保証協会は銀行からの請求に応じて原則として融資を受けている事業者に代わって銀行に融資の返済を行います。
これを信用保証協会による代位弁済と呼んでいます。
もっとも信用保証協会が代位弁済をしてくれたらそれで終わりではありません。
信用保証協会が代位弁済をした後は今後は信用保証協会に対して返済をしていかなければなりません。
信用保証協会保証付融資入門 信用保証協会とはのまとめ
以上、信用保証協会についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・多くの中小企業や個人事業主が信用保証協会を利用している
・信用保証協会への申し込みは銀行経由にて行う
・信用保証協会の利用には審査がある
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