銀行ではいろいろな切り口から融資審査を行っていますが、融資審査のポイントの1つに「拠り所」というものがあります。
拠り所とは最終的に「貸しても大丈夫だろう」という判断の根拠です。
融資審査のポイントの拠り所とは
銀行では決算書などの財務書類を中心にて申込をされた会社や個人事業主がきちんと融資の返済ができるかどうかを審査をしています。
融資審査の最大のポイントは融資した資金がきちんと返済されるかどうかの見極めです。
そして最終的に「貸しても大丈夫」かどうかを判断するわけですが、その判断の根拠となるのが拠り所です。
「これがあるから返済は大丈夫だろう」と考えることができる融資審査のポイントが拠り所です。
では拠り所とは具体的にどのようなものがあるのかを代表的なものをご紹介します。
信用保証協会の保証
信用保証協会は公的機関ですから、この機関による保証ほど確実な拠り所はありません。
中小企業中心に銀行が信用保証協会の保証付融資を勧めるのは、利率が有利など顧客にとっての好条件もさることながら、融資の回収の確実性を銀行が重視しているからです。
銀行がもっとも融資審査のポイントして重要視している「貸した金が返ってくるどうか」という点において、公的機関の信用保証協会の保証は万全なものがあります。
担保
担保があれば融資の返済が滞った場合でも、その担保を処分することにより銀行は融資を回収することが出来ますから、これも確実性の高い拠り所と言えます。
「ちょっと業績が悪いけれど担保にて最終的には回収ができるから大丈夫だろう」という拠り所です。
資金調達余力
今回融資をしても、会社や連帯保証人の資産でまだ担保として使えるものがあれば、融資先はこれらを担保にしてまだ融資が受けられる、つまり資金調達ができると考えられます。
資金調達ができれば資金繰りが安定しますから、融資の返済にも支障がないだろうと考えることができます。
資金繰りが続く限り事業は継続することもできます。
資金調達余力がまだあるということは融資審査のポイントであり判断の拠り所となります。
預金平残
担保には取っていないものの、いざという時に銀行は融資先の預金を押さえることが出来ます。
よって預金口座に常に一定の残高があれば、一応はその残高程度は回収出来る期待を持つことが出来ますから、1つの拠り所と考えることが出来ます。
「業績が低迷しているが一定の預金残高があるから」といった判断で融資に応じることは少なくありません。
売上の入金状況
売上金の入金を自行口座に指定いただいている場合には、預金も溜まりやすくこれも1つの拠り所と考えることが出来ます。
業績
拠り所としてもっとも弱いのがこの業績です。
どれだけ好調な業績を続けてきても、それが将来にわたり続くとはだれも保証することは出来ません。
ただし過去の実績から想像して当面は業績が大きく悪化することはないだろうと考えることもできます。
融資審査のポイントの拠り所としては弱いのですが、無難な業績は融資判断の1つの材料とはなります。