融資審査マンの見方

試算表の意味について

銀行に融資の相談を行うとしばしば試算表の提出を求められることがあると思います。
業績については決算書で十分なはずにも関わらず銀行は試算表の提出を求めます。
試算表にはどのような意味があるのか、それと試算表を提出しないと銀行から融資を受けられないのかなどの疑問について説明をします。

試算表とは

一般的に年に1回、事業者は確定申告を行います。
この確定申告を行うにあたっては必ず決算書を作成します。
銀行に融資の申込を行う際にはこの決算書の提出が必ず必要です。
銀行という第三者からみてこの決算書が事業者の業績を把握するもっとも客観的で適切な資料だからです。
この決算書の内容によって融資可否の大半が決まると言っても過言ではありません。

決算書は年1回

しかし決算書には一点の欠点があります。
それは通常、決算書は年に一回しか作成がされないということです。
会社の場合、よく「3月決算」とか「9月決算」ということを耳にされるということですが決算書を作成し確定申告を行うのはこの決算期の1回だけです。
会社の中には年に2回、確定申告を行っているところもないではないですが、それは上場企業など極めて少数です。
大半の会社は年に一回だけ決算書作成し確定申告を行っています。
つまり決算書の数字は過去のものだということです。
例えば3月決算の場合、通常決算書を作成し確定申告を行うは2ヶ月後の5月です。
この5月とか6月に銀行に融資の申込を行う場合には、3月の決算書は過去のものとはいえ、比較的最近のものです。
しかし10月とか12月に銀行に融資を申込みを行う場合、3月の決算書の数字は相当に古いものとなります。
決算期から半年以上が経過していると、この半年間の間に会社の業績に大きな変化が出ているかもしれません。

試算表の役割

ここに試算表の意味が出てきます。
試算表というのは確定申告を行うために作成されるものではありませんが、決算期以降の業績を会社自身が把握するために作成する簡易版の決算書に相当するものです。
試算表の作成は義務付けられているものではありませんが、多くの会社は決算期以降の経営状態を把握するために試算表を定期的に作成しています。
試算表とは簡易版の決算書として決算期以降の経営状態を把握するために大切な資料なのです。

試算表の意味

このように試算表は決算期以降の経営状態を示す資料でした。
融資を検討する銀行としても決算期から一定の時間が経っている場合には、決算期以降の足元の経営状態がどのようになっているのかが気になるところです。
決算書では黒字であったが、ひょっとすると足元は赤字に転落しているかもしれません。
つまり試算表は決算期以降の足元の業績等の状況を把握するために非常に重要な意味があるのです。
これが試算表の意味であり役割です。

銀行員は試算表で何を見てる?

ここで銀行員は試算表をどのように見ているかを案内します。

決算期以降の業績

まずは試算表の重要な意味でもある決算期以降の足元の業績がどうなっているのかを銀行員は見ています。
業績は日々変化をするものであり、決算期以降に大きく業績が変化していることも少なくありません。
業績が向上していれば良いのですが、中には決算期以降は受注が不振で業績が悪化している会社もあります。
決算書では黒字であったが、足元の試算表は赤字になっていることもあるのです。
このように決算期以降の足元の業績を確認するために銀行員は試算表を見ています。

利益率や資産負債項目の変化

また銀行員は試算表で業績の変動を見ているだけではありません。
試算表は機能としてはほとんど決算書と変わりませんから、貸借対照表や損益計算書が試算表でも作成がされます。
そのため試算表を分析することで各種利益率の変化や資産や負債項目の決算期以降の変化を検証することが可能です。
決算期以降に各種利益率に大きな変化はないか、資産・負債項目に大きな変動はないか、あるとすればその理由は何かを銀行員は検証をしています。

試算表を提出しないと・・・

決算書と異なり試算表はその作成が義務付けられているものではありません。
しかし決算期から少なくとも半年が経過している時点では試算表がないと決算期以降の業績が銀行には不明です。
もしかした大きく業績が変化しているにも関わらず試算表がないとはっきりと把握することができません。
そのため試算表がないと足元の業績を把握することができないために、突っ込んで融資判断ができません。
融資審査が通らないこともありえますし、融資審査が通ったとしても突っ込んだ判断ができないために希望額とはかけ離れた融資しかできないといった結論になることもあります。
試算表は今では必須の経営資料になっています。
中小企業や個人事業主の強い味方である信用保証協会においても今では試算表がほとんど必須の申し込み資料となっています。
試算表の意味を理解されて積極的に試算表を作成するようにしてください。

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