銀行での融資審査の中心は決算書の分析による信用力の調査です。
しかし決算書だけではなく試算表の提出を銀行から求められることが少なくありません。
試算表の持つ意味の銀行の狙いについて説明をします。
銀行融資の審査の目線は返済可能性
銀行融資の審査の基本目線は返済がきちんと可能かどうかであり、その判断根拠の多くは毎年の決算書によって行っています。
決算書を多角面から分析することによって銀行は融資の返済可能性の判断を行っています。
試算表の重要性
しかし決算書は通常、年一回だけ作成されるものであり、実際に銀行融資の審査を行う際にはあくまでも「過去の数字」です。
銀行融資の返済は過去の実績で返済されるのではなく、これからの将来の実績によって返済されていくものです。
将来の予測をすることはなかなか難しいですから、少なくとも決算期以降の足元の数字は銀行融資の審査担当としては確認しておきたいところです。
この足元の数字の確認する手段として試算表があります。
試算表は経営管理の1つ
試算表の作成は何も銀行融資を受けるためだけではなく、足元の経営状況を確認する経営管理の1つの手段にもなります。
しかし多くの中小企業は試算表を作成していません。
経営者の頭の中でわかっているということかもしれませんが、足元の実績をきちんと把握する上では試算表は必要です。
ましてや銀行などの第三者に自社の足元状況を理解させるためには、言葉だけでなく数字の裏づけが不可欠です。
その数字の裏づけとなるのが試算表です。
試算表を作成していない中小企業は経営管理がきちんとされていないものと評価を受けてしまいます。
銀行からの追加融資には試算表は必須
銀行から追加融資を受けるには試算表の準備は大切です。
ましてや銀行のプロパー融資を受けるには試算表の提出は必要不可欠です。
試算表は市販の会計ソフトを使えば、誰でも簡単に作成することが出来ます。
毎日の実績を会計ソフトに入力しておけば、自動的に試算表は作成されます。
何も税理士に依頼することはありません。
まとめ
試算表は銀行において決算期以降の足元の業績を知るために欠かせない審査資料です。
もっとも試算表がなければ銀行から融資が受けられないということではありません。
しかしながら試算表がないと銀行は融資先の足元の業績を十分に把握することができません。
決算期以降に急激に業績が悪化しているケースも実際にはあります。
したがって銀行としては足元の業績が十分に把握できなければ突っ込んだ融資判断を行うことができません。
そのために必要最低限の融資に留まり、希望する金額までの融資が受けられないこともあります。
また試算表を定期的に作成している融資先にはその業績の良し悪しに関わらず銀行は一種の安心感を持ちます。
きちんと定期的に業績の管理を行っているという認識です。
今や中小企業でも試算表は必須の資料となっています。
希望通りの融資が受けられるためにも試算表の定期的な作成を強く推奨します。