「A銀行から現在借入している融資の返済額が毎月多く苦しいので、これをB銀行に借換えして毎月の返済額を軽減したい」
このような取扱が出来るかどうかですが基本的には可能です。
ただし注意点もありこのあたりの事情について説明をします。
A銀行との取引をどう考えるか
他の銀行に融資を借り換えるという案件はしばしばありますが、このような借換を行った場合にはA銀行との取引は実質的になくなります。
A銀行がどのように考えるかは事情によって異なるところもあるのですが、例えばA銀行がこの会社とはこれからも取引をしたいと考えていた場合にはA銀行からすると「取引を切られた」と受け止めます。
一度「取引を切られた」という経験をしたA銀行は基本的にもうこの会社とは取引をしたくないと考えます。
一方でA銀行が日頃からこの会社との取引はなくしていきたいと考えていたのであれば他の銀行での借換は内心「良かった」と考えます。
A銀行との取引継続を考えている場合
他の銀行に融資を借換するがA銀行とは今後も取引を継続していきたいと考えているのであれば、今回の借換は慎重に検討するべきです。
融資の借換は「縁を切る」ことに該当します。
他の銀行への借換の理由が融資の諸条件(金利や融資期間など)であれば今一度A銀行に相談や申し入れを行うべきです。
そして最終的には融資の条件を取るか、それともA銀行との取引を取るか、この会社が判断することです。
借換の動き方
A銀行との取引がなくなっても構わないと考えている場合にはA銀行には難しいことは言わずにただ「一括返済します」と伝達すれば良いでしょう。
返済が苦しいことが理由であればA銀行はほとんど何も言わずに他の銀行への借換を受け入れすることでしょう。
信用保証協会保証付融資の場合
なお信用保証協会保証付融資が絡む場合には次のことに注意が必要です。
信用保証協会保証付融資にて借換を行う場合
この場合には借換を行う他の銀行から案内があると思いますが、信用保証協会に保証申し込みを行う際にA銀行が同意する旨の書面の提出が必要です。
他の銀行の融資がプロパー融資の場合
この場合は難しい問題はありません。
A銀行のプロパー融資を他の銀行が信用保証協会保証付融資にて借換ようとする場合
信用保証協会保証付融資にてプロパー融資を借換することは「旧債振替」といって厳禁されています。
もしこのことが信用保証協会に知られることになれば、今後の信用保証協会の利用に重大な支障が生じます。