融資審査マンの見方

取引振りがないから融資をしないという判断

銀行融資の審査手順

融資審査の流れ
この図は銀行での融資審査の手順を時系列に示したものです。 融資は貸しっぱなしというわけにはいかずに返済していただかないといけませんから、融資審査の中心は貸せるかどうか、万が一の場合に貸倒れのロスへの備えはどうかというところとなります。
図では1の「何をしている会社か」から7の「資金調達の余力はあるか」に該当します。
では返済に不安はないと判断できれば必ず融資を行うのかといえばそうでもありません。
銀行としては融資はビジネスの1つです。
融資取引だけではなく、幅広く融資先との取引を獲得したいと考えています。
そして融資先とのいろいろな取引を通じて収益を獲得したいと銀行は考えているのです。
この融資以外の取引のことを取引振りと呼んでいます。

取引振りの中身

では具体的に取引振りとはどういう取引のことでしょうか。
主なものは次のとおりとなります。
取引振
まずは預金取引で預金残高の平均残高を見ています。
預金取引自体は正直なところ銀行にとって収益性が高いものではありません。
ただ融資先の預金は融資の返済の元手になるものですから、多いほど銀行は安心することが出来ます。
融資先の中には毎月の返済金額程度しかいつも預金を置いていないところがありますが、「資金繰りが苦しいのか」とか「預金は他の銀行において借入しているところにはなるべく預金を置かないようにしているのか」などといずれにしても銀行はネガティブな印象を持ちます。
資金繰りが苦しいのであればそれはやむを得ないことですが、預金をあえて他の銀行に置いている融資先とは正直なところ真剣な取引は展望出来ません。
次は売上代金の入金先を自行の預金口座に指定しているかどうかです。
もちろんすべての代金の指定口座として利用してもらわなくても良いのですが、売上は融資の返済原資そのものです。
融資をしている側としては返済原資となる入金を自行口座に指定してもらいたいというのは本音です。
これをあえて別の銀行に指定しているということだと、「ではその銀行から融資をしてもらってください」と言いたくなるのが銀行の本音です。
売上代金の入金取引もあるので融資にて資金繰りを支援するという側面もあるのです。
3つ目は振込取引です。
いろいろな支払いに多くの会社は振込を利用しているはずです。
その振込は自行でも使ってくださいということです。
1件あたりの振込手数料は少額ですが、積もり積もれば馬鹿にできない銀行の収益源です。
そして最後が外国為替取引です。
貿易など海外と取引をしているところが対象になりますが、外国為替取引は銀行にとって大きな収益源ですから融資先にはぜひ自行を使ってもらいたいと考えています。

取引振りの大小は取引度合いの強弱を示す

預金の残高も多い、売上入金も自行の口座を利用していただいている、振込も使っているとなると銀行はそのような融資先を大切に思います。
大切に思っている融資先に対しては仮に業績が悪化しても必要な資金は融資にて支援しようと考えるものです。
逆に預金もほとんどない、売上入金は他の銀行、振込も使っているのか使っていないのかわからない、貿易は他の銀行を使っているということになると、銀行はその融資先を大切には感じません。
業績が悪化して融資による資金繰り支援の要請を受けても、預金を置いている、売上の入金先として利用している他の銀行に相談に行けばと言いたくなります。
現にそのような融資先には審査のハードルはとても高くなります。

取引振りはその銀行との信頼関係に反映します。
この銀行とは長く取引をしたいと思えるところには取引振りをつけるべきです。
そうすることでその銀行とは信頼関係に基づいて良好な取引がお互いに出来ます。

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