担保さえあればの時代はもう昔
担保がないと銀行融資が受けられないというのは過去の話で、今は大企業に限らず、中小企業向けの銀行融資も無担保が主流です。
このことは銀行の融資審査の姿勢の変化が大きな原因です。
バブル期のころに代表されるように銀行は一時期、担保さえあれば、どんどん融資を行っていた時期がありました。
やや言いすぎかもしれませんが、融資先の業績如何に関わらず、つまり返済出来るかどうかに関わらず、不動産等の資産があればそれを担保にどんどん融資を行っていたのです。
それがバブル経済の崩壊とともに、融資先の業績は悪化。
不動産価格も下落し担保価値も減少。
融資先の返済能力よりも担保価値に依存した融資はことごとく崩壊し、多大な不良債権を銀行が抱えたことはみなさんよくご存知のことです。
今は返済能力重視
このことへの反省もあり、現在の銀行融資の審査の基本は融資先の業績や返済能力を重視しています。
まずは業績や返済能力を審査し、その上で担保徴求を条件とするかどうかを決めています。
逆に言い方をすれば、業績が悪く返済能力が認められなければ、どれだけ多額の担保があったとしても銀行は融資に応じないということです。
担保さえあれば銀行融資が受けられるということではなく、会社の業績如何によって銀行融資が受けられるかどうかが決まるということです。
担保がなくても銀行融資が受けられる幅が広がった反面、業績重視の経営を行わないと銀行融資が受けられない可能性があるなど逆に厳しい側面を持っていると思います。
この図は銀行での融資審査の流れを簡単に示したものですがまずは「利益で返済出来るか」つまり融資する資金が回収出来るかどうかが審査のスタートになっています。
担保ありきではないのです。
銀行が担保を要求する代表例
現在、銀行が担保を徴求するケースはさまざまですが、代表的なケースは次の通りです。
1.融資量が一定金額を超えているとき
融資が可能として無担保で融資を行う限度は企業毎に決まっています。
その限度を超えて融資を行う場合は基本的に担保が必要となります。
2.長期間の融資を行う場合
銀行によって異なりますが、おおむね借入期間が7年を超える融資を受けるには原則として担保が条件となります。
3.不動産購入資金の融資を受ける場合
銀行融資を受けて不動産などを購入する場合は、その購入物件を担保として銀行は徴求します。
これは資金使途の確認もかねています。
担保の種類
銀行が取り扱う担保の代表的なものは次のとおりです。
・不動産
・有価証券
・預金
・入居保証金(敷金)
などです。
他にも絵画や船舶などの取扱事例もありますが、かなり特殊でレアなケースです。