銀行融資は大きく運転資金と設備資金に分けることができます。
ここでは設備資金借入とは何かについて説明をします。
設備資金借入の基本と融資相談時のポイントについて案内をします。
目次
設備資金借入の基本
設備資金借入の資金使途
設備資金借入とは事業に使用する設備を購入するために要する資金需要に対応する銀行の融資です。
例えば、本社ビル建築資金、工場建築資金、製造機械購入資金、営業車両購入資金、店舗内装工事資金などが設備資金借入の資金使途です。
簡単にいうと事業に使用する有形固定資産を取得するために必要となる資金です。
設備資金借入の融資形態
例えば製造機械をこの先、数年にわたって製造活動という事業に使用されることになります。
つまり長期間にわたって事業に資するということです。
そのため設備資金借入は通常、長期の融資形態となります。
3年とか5年、あるいはそれ以上の長期の融資期間となり、毎月、分割返済にて設備資金借入を返済していくこととなります。
運転資金借入が基本的には1年以内の短期融資の形態となるのに対して、設備資金借入は融資期間が長期になることが特徴です。
設備資金借入のポイント
まずは慎重な設備投資計画
設備投資は今後の会社等の動向に大きな影響を与える分岐点になる場合があります。
老朽化した機械の買い替えなど設備の更新投資ではなく、新規に機械を購入したり思い切った工場の新設など投資額が大規模になればなるほど、今後の会社等の動向に大きな影響を与えます。
成功すれば業績の発展が期待できますし、失敗すれば投資負担が重荷になり最悪破綻してしまう例も決して少なくありません。
収益返済計画の作成
設備資金借入を銀行に相談する際には収益返済計画の提出が必要となります。
収益返済計画とは設備投資による今後の業績計画を示したものです。
設備投資による今後の売上計画、利益率向上の計画、利益の予想などを行ったものを作成し、さらにその今回の設備資金借入の返済を計画したものです。
つまり収益返済計画は設備投資後の業績を計画し、きちんと設備資金借入を含めた借入金が返済できるかどうかを検証するための資料です。
設備資金借入は金額も多額になることが多く、かつ融資期間も長期の融資になりますから、銀行も慎重に融資審査を行います。
取引先の現状の業績状況や設備投資の効果、今後の業績見込みと返済能力など慎重な審査が行われます。
そのための検証資料として収益返済計画の提出が必要となります。
設備資金借入の審査と自己資金の関係
設備資金借入の融資審査においては投資額比どれほどの自己資金投入を予定しているかが、1つの審査ポイントです。
取引先の中には投資額の全額を銀行融資でと相談される場合がありますが、これはダメです。
最低でも設備投資総額の2割は自己資金で賄うことが出来るかどうかが審査にポイントなります。
自己資金の割合が2割未満の場合、銀行員が考えることは、
・そもそも設備投資の計画性が乏しい
・銀行融資額が多額となり、投資効果だけでは返済が賄えない可能性が高い
といったところです。
投資効果だけでは返済が賄えない可能性が高いことも事実ですが、そもそも設備投資という重要な事項をすべて銀行融資だけに依存するという姿勢に拒否感があるのです。