銀行に融資を申込んだ後に銀行の担当者から「融資が内諾になりました」と言われることがあると思います。
この融資内諾とはどのような意味なのか、融資内諾となれば融資が受けられると考えて良いのかどうかについて説明をします。
融資内諾とは
一般的に銀行では融資審査は2段階で行われています。
最初に事前審査を行い、その後の正式審査にて融資可否を決定しています。
融資内諾とは最初の事前審査において融資可能と審査された状態のことです。
審査の中心は事前審査
融資内諾に関係する事前審査ですが、実は銀行の融資審査の実質的な中心はこの事前審査です。
もちろん事前審査では融資実行にはなりません。
正式審査を経て初めて融資契約を締結して融資が実行されます。
したがって正式審査が銀行の融資審査の中心なのですが、実態は事前審査にて融資可否が決定されているといっても過言ではありません。
融資の方向性を決める
銀行では取引先から融資の相談を受けた場合、取引先の資金繰り上の問題もありますからなるべく早く融資の方向性を決めようとしています。
取引先にとっても融資が可能なのかどうか、その可能性は早く知りたいところだと思います。
正式審査となると取引先からいろいろな資料などの提出をお願いすることになり、その資料が整わないと正式審査ができません。
これではいたずらに時間が経過してしまいます。
そのため最低限の資料をもとにして融資の方向性を決めるために事前審査を行っているのです。
そして事前審査でOkとなると融資内諾となるのです。
事前審査でほぼ決まる
この事前審査ですが、審査の中身は正式審査とまったく同じです。
したがって事前審査が通れば基本的に融資はほぼOKと考えて問題がありません。
そのため銀行から融資内諾と連絡が来れば基本的には融資が受けられると考えることができます。
注意すべきは条件付きの融資内諾
銀行から融資内諾の連絡が来た際に、特に条件のようなものの説明がなければ正式審査を経て融資正式決定になります。
そのため特に条件がなく融資内諾の連絡が来れば、融資が受けられると考えて問題はありません。
注意すべきは条件付きで融資内諾の連絡が来た場合です。
条件付きの融資内諾とは
条件付きの融資内諾とは「他行の融資シェアに応じて融資支援をすること」とか「不動産担保の提供があること」「税金の納付がきちんと行われていること」といった条件が履行・確認できることを前提とする融資内諾のことです。
融資内諾に付される条件はこの他にもさまざまなものがあります。
そのため例えば「税金の納付がきちんと行われていること」の確認が取れることを条件とした融資内諾の場合、税金をきちんと納付しているのであれば融資は受けられると考えて大丈夫でしょう。
しかし「不動産担保の提供があること」といった重い条件付き融資内諾の場合には、不動産担保がないと融資が受けられないということです。
したがって不動産担保がない場合には融資内諾と銀行から言われてもそれは事実上の融資の謝絶と同じことにもなってしまいます。
融資内諾の連絡が銀行から来た場合には、融資内諾に条件が付されていないかどうか、付されているとしてどのような条件なのか、その条件の履行に支障はないのかどうかを確認することが大切なこととなります。
融資内諾のまとめ
以上融資内諾をまとめますと次のようになります。
融資内諾のまとめ
・融資内諾とは事前審査で融資がOKとなったこと
・融資内諾には条件が付けられることがあること
・その条件が履行できなければ融資内諾といっても融資が受けられないこと