すでに融資を受けている状態でも資金繰りの都合から追加融資を受ける必要があると思います。
追加融資の審査は最初の審査よりも厳しいのかどうか、融資審査現場から説明をします。
追加融資の審査に関する質問
個人事業をしています。
10年ほどが経ちました。
この間、信用保証協会の保証を利用した融資を数回借入しています。
返済が遅れたことは一度もありません。
借りては返してという繰り返しです。
現在の借入は10ヶ月ほど前に行ったものですが、まとまった資金が必要となってきました。
そこでまた信用保証協会の保証を利用した融資を受けたいのですが、借入してから10ヶ月しか経っていない状態で追加融資は受けられるものでしょうか?
やはり追加融資の審査は厳しいでしょうか?
前回の融資資金はもうないのか
前回融資から少なくとも1年以内で追加融資の相談を受けた場合、銀行や信用保証協会では「前回融資のお金はもうなくなったのか」というのが最初の印象となります。
基本的に銀行や信用保証協会は運転資金の融資を行う際には当面はこの融資にて資金繰りが安定することを期待しています。
実際に融資を受ける会社や個人事業主の方もこの融資にて当面の資金繰りが確保出来て、事業に専念できると考えて融資を受けています。
この「当面」というのは少なくとも1年程度です。
今回のように前回融資から10ヶ月という1年以内で追加融資の相談を受けると銀行や信用保証協会は、「業績が不振で資金繰りが悪化しているために短期間での追加融資の申し出に至ったのではないか」と考えるのです。
資金の必要性を説明
仮に計画に反して業績が不振で資金繰りが苦しい場合にはその事実を正直に伝えてください。
銀行や信用保証協会では資金繰りを維持して事業が継続できるように、もう一段の追加融資が可能かどうかを検討します。
一方で業績不振による資金繰り悪化が追加融資の原因ではない場合には、なぜ資金が必要なのかを説明してください。
例えば以下のような説明です。
・計画以上に売上が順調なため運転資金需要が増加した
・新たな販売先が見つかり、それに先立つ仕入資金が必要になった
・売れ行きが好調な商品の在庫を少し多めに持ちたい
追加融資審査の難易度
追加融資だから審査の難易度が高いといったことはありません。
ポイントはなぜ追加融資が必要になったのか、その要因です。
前者の場合の業績不振による資金繰り悪化が要因の場合には、業績不振ということですから追加融資以前に前回融資の返済に懸念が持たれる状態です。
当然、追加融資の審査のハードルは高くなります。
資金繰りを維持して事業が継続できるように追加融資にて支援を行うかどうかの総合的な判断で審査を行うことになります。
一方で後者の場合の具体的な要因により追加融資の必要性がある場合に、その必要性の妥当性が審査のポイントなります。
したがって具体的な要因により追加融資が必要な場合には、その必要性がなるべく具体的に銀行や信用保証協会に説明することが大切です。
そしてその後の業績の見通しの説明も欠かせません。
妥当性がありかつ業績の見通しにも納得感があれば、追加融資だからということではなく普通に融資審査は行われます。