銀行に融資の申込を行うと「直近の試算表を提出してください」と言われることがあります。
決算書を提出しているのになぜ試算表が必要なのか・・・
試算表とは何か、なぜ銀行が試算表を必要とするのかの説明をします。
試算表とは
試算表とは簡単に言いますと簡易版の決算書です。
決算書のように貸借対照表や損益計算書があります。
決算書と試算表の違い
では同じような決算書と試算表の違いは何でしょうか。
決算書は基本的に年に一回作成するものです。
主な目的な1年の成績を算出し、税務署の収める納税額を確定させるためのものです。
そのため売上高やコストの計算、在庫の正確な数値などを正確に計算をします。
決算書はまさにその会社等の公式な年間の成績表と言えるでしょう。
これに対して試算表というのは簡易の成績表だと言えます。
足元の業績を把握するために現在の成績を確認するために作成されるのが試算表です。
在庫の正確に把握することもありますが、多くの場合、正確な在庫量を把握するために実地棚卸をすることなく、あくまでも速報ベースで簡易に作成されるのが試算表です。
決算書は年に一度だけ作成されるものです。
これでは足元の業績がどうなっているのかを把握することができません。
そのためにざっくりとではありますが足元の業績を把握するために試算表の存在意義があると言えるでしょう。
今や試算表の必要性が高まっています
銀行は融資審査を行う際に、融資先の業績を把握する材料として決算書を分析します。
銀行に融資を申し込むタイミングが決算申告を行った直後であれば、その決算書で良いのですが決算申告を行った後、一定期間が経過してから融資の申し込むことがあるはずです。
その場合、決算書に示された数字はだいぶ時間の経った過去の数字となりますから、銀行としては決算以降の状況がよくわかりません。
過去の数字だけではなく、現在の状況も踏まえて融資の審査を銀行は求めます。
その現在の状況を示すものとして代表的なものが試算表です。
ここに試算表の必要性があるのです。
試算表の必要性が高まっている理由
試算表といえども過去の数字であることには違いありませんが、少なくとも決算書よりは現在に近い資料です。
決算期から少なくとも6か月が経過した時点以降に銀行融資を申し込む際には、銀行から要求されなくても試算表を用意することをおすすめします。
銀行は自主的ではなくても試算表の提出をお願いした場合、きちんと短期間で試算表が提出されるかどうかを見ています。
試算表というのは何も銀行融資を受けるために作成するものではなく、決算から決算までの間の業績動向を管理する上で社内的にも重要な管理資料のはずです。
そのような資料が作成されていない、あるいは提出まで時間を要するということは日頃から経営管理がなおざりにされているものと銀行は推測をします。
日頃から経営管理がされていない先に安心して融資は出来ませんよね?
残念ながら中小企業では試算表を作成していない、作成していても半年に一度ぐらいのところが少なくありません。
一方できちんと管理をされ月初めには前月までの試算表が作成されている中小企業もあります。
間違いなく試算表の必要性は高まっています。
試算表がないと受けられるはずの融資も受けられない可能性も出てきます。
銀行融資を受けるためだけではなく、日頃から経営管理を行い強い体質を作るためにも試算表を作成され活用することをおすすめします。