設備資金の融資は運転資金と並んで銀行の代表的な融資です。
設備資金の融資は設備投資で必要となる資金が対象となります。
設備資金の融資の範囲について整理をします。
目次
設備資金の融資の範囲の一般例
設備資金の融資は設備投資に要する資金を対象とするものです。
設備投資の一言で言っても様々ですがよくある設備資金の融資の範囲を挙げるとつぎのようになります。
設備資金の融資の範囲のよくある例
・本社や工場などの建物建築資金
・建物の内装工事資金
・製造機械などの機械購入資金
・トラックなどの車両購入資金
・飲食店や小売店などの店舗出店資金や店舗改装資金
設備資金の融資の範囲に関する事例
飲食店を営む会社から店舗の改装資金融資の相談事例です。
店舗の内装資金として総額1、000万円の設備資金の融資申し込みがありました。
業者への支払いは着手金として代金の半分を、残りの代金は内装工事の完了後に支払うスケジュールとのことでした。
内装工事は融資相談があった時からおよそ1週間後には始まるため、着手金はとりあえず手許資金で対応するとの説明がありました。
融資審査には少なくとも1週間以上は要するため、着手金の支払いには間に合わないため、工事完了後に支払う資金のみを融資の対象として検討することを説明しました。
着手金も設備資金の融資の範囲にする要請
ところがこの会社からは着手金を含めて総額1、000万円で融資検討を行うように要請を受けました。
つまり既に支払った設備資金も融資の範囲にするようにとの要請です。
設備資金の融資の範囲はこれから支払うものが対象
しかしこの相談は原則として受けることが出来ません。
なぜなら銀行融資というのは原則としてこれから必要となる資金が融資対象となるものであり、すでに支払い済みのものは融資対象外です。
したがって設備投資で要する資金であってもすでに支払い済みのものは設備資金の融資の範囲とはならないということです。
すでに支払い済みのものは設備資金の融資の範囲とはならない
これが原則です。
運転資金など他の融資で対応することもある
例外的にすでに支払い済みの設備資金についても融資の範囲とすることはあります。
またこの例外の他に別途、運転資金として融資を行うこともあります。
設備資金の融資を受ける前に手元資金で支払いをしたために、その後の運転資金が不足するという理屈は成り立ちます。
この理屈に基づき、別途運転資金の融資にて資金繰りを支援することがあります。
設備資金の融資の範囲についてのまとめ
以上、設備資金の融資の範囲についてまとめますと次のようになります。
設備資金の融資の範囲についてのまとめ
・銀行の融資はそもそもこれから必要となる資金を対象とするもの
・したがってすでに支払い済みの設備資金は設備資金の融資の範囲とはならないの原則