運転資金の借入の期間はどのように決まるのかを説明するとともに、よく運転資金の借入について説明をします。
目次
借入の期間は融資の資金使途によって異なる
そもそも借入の期間はその借入の目的、つまり資金使途によって異なってきます。
例えば設備資金の借入は設備投資に要する資金のためのものです。
設備投資ではこの後長期間にわたって事業のために貢献する資産、機械とか不動産などを購入することになります。
設備資金の借入は設備投資によりこれから長期間にわたって貢献する資産を購入するためのものですから、これに応じて設備資金の借入の期間は長期になります。
一般的には設備資金の借入の期間は5年以上となることが多く、毎月の分割にて返済を進めていきます。
借入の期間は使途によって自ずと決まる
運転資金の場合
運転資金というのは基本的に売上代金回収までのつなぎ的な意味があります。
売上代金回収は短期間で実現しますから、それに対応する運転資金も短期間に収束をするのが理屈です。
そのため運転資金の借入の期間は短期になることが多いです。
運転資金は売上代金回収までのつなぎであることから短期の借入となることが多い
運転資金の借入の期間は
運転資金の融資形態でもっとも代表的なものは短期の手形貸付です。
そして手形貸付の借入期間は最長で6ヶ月です。
実際、運転資金の借入は手形貸付で借入期間が3ヶ月もしくは6ヶ月の期日一括返済方式にて行われることが多いです。
運転資金は継続して必要
運転資金は確かに売上代金回収までのつなぎの意味があるのですが、この売上代金回収までのつなぎの資金需要は事業を継続する限りずっと続くというのが基本です。
そのため短期の手形貸付の借入を期日に一括返済をしても、また再び運転資金の借入を行う必要があります。
そのため手形貸付での運転資金の借入ですが期日に一括返済ではなく借入を継続する取り扱いが実に多く取り入れられています。
3ヶ月や6ヶ月毎に手形貸付を継続する取り扱いが多いのです。
短期の運転資金借入では手形貸付で期間が3ヶ月から6ヶ月の期日一括返済となることが多い
運転資金を長期で借入することもある
手形貸付の借入を3ヶ月や6ヶ月毎に継続する手続きを行うのではなく、はじめから運転資金の借入の期間を短期ではなく長期で取扱いを行うこともしばしばあります。
借入期間を3年とか5年、長い場合ですと10年間で設定をします。
借入形態は手形貸付ではなく証書貸付がよく用いられます。
そして返済方法は手形貸付のように期日一括返済ではなく、長期の証書貸付では毎月の分割返済とすることが一般的です。
証書貸付で借入期間が長期となることもある
運転資金の借入期間は短期と長期とどちらが良いか
運転資金の借入期間は短期がよいか長期がよいかですが、これは長期の方が圧倒的におすすめします。
短期の場合はさきほども説明をしましたように手形貸付で3ヶ月から6ヶ月の期日一括返済となります。
そして期日に手形貸付が継続される取り扱いが基本です。
必ず継続されるとは限らない
しかし手形貸付の継続時には必ず銀行で改めて融資の審査が行われています。
そのため例えば業績が悪いなどの理由で手形貸付の継続が認められないことも十分にあり得ます。
もし手形貸付の継続が認められない場合には、期日に一括返済をしなければなりません。
これは資金繰り上、大きな問題を生じることとなる可能性が高いと思います。
期日に一括返済ができなければ延滞の扱いとなります。
この点、長期の借入の場合には証書貸付の形態が用いられ、返済は毎月の分割返済となります。
このケースでは分割返済をきちんと行っている限りは、どれだけ業績が悪いとしても銀行に前倒しで借入の返済をしなければならないということにはなりません。
どれだけ業績が悪いとしても分割返済をきちんと行っていれば、そのまま借入ができるということです。
このようなことから資金繰りの安定を確保する観点から運転資金の借入期間は短期よりも長期をおすすめします。
手形貸付はかならず継続されるとは限らない
運転資金の借入期間についてのまとめ
以上、運転資金の借入の期間についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・手形貸付は借入期間が3ヶ月から6ヶ月程度で設定され、期日に一括返済する形態
・運転資金は継続して必要なため、手形貸付は期日に返済ではなく継続されることが多い
・しかし継続時には銀行の審査があり、必ず手形貸付が継続されるとは限らない
・運転資金の借入は証書貸付で長期で行われることもある
・証書貸付の場合には一括返済ではなく分割返済となる
・分割返済をきちんと行っていれば、途中で銀行から一括返済を原則として要請されることはない