複数の銀行に同時に融資申し込みを行うことの是非

事業に必要な資金のために融資を申込む場合、1つの銀行での審査が通らないことも考えて同時に複数の銀行に融資の申し込みをしても大丈夫かどうかというテーマです。

複数の銀行への融資の同時申し込みに関する質問

中小企業を経営しています。
資金繰りが苦しいために銀行に運転資金の融資を申し込むことを考えています。
ただその銀行からは最近も運転資金の融資をしてもらっているので、今回の審査に通るかどうかが不安です。
しかし融資をしてもらわないと資金繰りが持ちません。
そのために他の銀行にも同時に運転資金の融資を申し込んで良いものがどうか悩んでいます。
それとも審査に通らなかったら、その後に別の銀行に融資の申し込みをした方が良いのでしょうか。
さらに希望の金額まで融資が受けられなかった場合、足らない部分を別の銀行に申し込みをしても大丈夫でしょうか。

基本的に融資の同時申し込みは回避

銀行同士で融資の申し込む有無を情報交換等は一切行っていませんから、たとえ同時に複数の銀行に融資の申し込みを行っても銀行にその事実がわかることはありません。
しかし同時に複数の銀行に申し込んだことがわかる場合があります。
それは信用保証協会保証付融資の場合です。

信用保証協会保証付融資の場合

信用保証協会保証付融資の場合には、銀行経由で信用保証協会に保証申し込みを行います。
この場合、信用保証協会には複数の銀行から相前後して保証申し込みが行われることになります。
信用保証協会では複数の同時申し込みを受け付けてくれません。
どれが一本の申し込みにする必要があります。
そのため信用保証協会から各銀行に同時に申し込みがあることが連絡され、それぞれの銀行では同時に複数の融資申し込みが行われていることがわかります。

銀行の印象は良くない

この場合、銀行が抱く印象はよくありません。
銀行が抱く印象としては、

融資申し込みは1つの銀行に絞る

したがって複数の銀行に同時に融資の申し込みを行うことは避けた方が無難です。
確かに資金繰りの確保の観点から複数の銀行に同時に融資申し込みを行いたい気持ちはわかりますが、これは逆効果です。
まずはある1つの銀行に融資の申し込みを行うことをおすすめします。
そして融資の審査が通らなかった場合に、改めて別の銀行に融資の申し込みを行う方が良いでしょう。

不足分の別の銀行に申し込むことは構わない

最初に銀行で融資の申し込みを行ったが、審査の結果、希望額まで行かなかった場合、その不足分を別の銀行に融資申し込みを行うことは構いません。
ただし信用保証協会保証付融資の場合には不足部分を申し込んでも信用保証協会の審査は同じですからゼロ回答となってしまいます。

複数の銀行に同時に融資申し込みを行うことの是非のまとめ

以上、複数の銀行に同時に融資申し込みを行うことについてまとめますと次のようになります。