銀行から受けている融資の返済が苦しい場合にはリスケにより返済負担を軽減する手段があります。
リスケは各金融機関横並びの前提条件がありますが、ある1つの金融機関がリスケに応じない場合に全部のリスケが成立しないのかどうかが今回のテーマです。
目次
リスケに関する質問
資金繰りが厳しいために現在借入がある3つの金融機関にリスケをお願いしております。
今後1年間の元金返済猶予です。
ところが1つの金融機関がリスケに応じない姿勢を示しています。
リスケは各金融機関が横並びでないと全部のリスケが成立しないと聞いています。
やはり1つの金融機関がリスケに応じないと他の2つの金融機関もリスケに応じないということになってしまうのでしょうか。
リスケに応じない金融機関から1ヶ月前に融資を受けたばかりでしたので「認められない」と強く言われています。
質問のまとめ
・ところがある1つの金融機関が1ヶ月前に融資をしたばかりという理由でリスケに応じない姿勢を示している
・1つの金融機関がリスケに応じない場合、残りに2つの金融機関もリスケに応じないということになるのか
リスケは金融機関には痛手
まずリスケは金融機関にとっては痛手となります。
リスケとなった融資債権は融資の回収が危険な債権ということになり、従来上に貸倒引当金を計上する必要があります。
貸倒引当金というのは金融機関にとっては経費です。
つまりリスケが発生すると金融機関の経費が増加し、それだけ収益を低下させることになります。
そのためリスケは金融機関にとっては痛手となるのです。
リスケは金融機関にとっては貸倒引当金という経費が増加し痛手となる
リスケは各金融機関の横並びが条件
しかし金融機関はリスケに応じないということではありません。
金融機関は融資先の資金繰りを支援して事業を継続をサポートするという社会的な役割があります。
新規融資にて資金繰り支援がどうしても難しい場合にはリスケによる資金繰り支援が次善策として用意されています。
たださきほども説明をしましたようにリスケは金融機関には痛手です。
リスケは各金融機関の横並びが条件と説明しましたが、これは痛手は平等に横並びにということなのです。
リスケは各金融機関が痛手を横並びに受けるというのが前提条件
1つの金融機関がリスケに応じないのは障害となる
さて今回の質問では1つの金融機関がリスケに応じないとのことです。
リスケの1ヶ月前に新規融資を受けていますからこの金融機関がリスケに応じないという理屈はわかります。
この金融機関にすれば「騙された」ということでしょう。
しかし他の2つの金融機関には関係がない話ですから1つの金融機関がリスケに応じないということになると全部のリスケの成立の障害となります。
リスケに応じる場合
リスケは各金融機関の横並びが条件ですが、1つだけ横並びではなくてもリスケに応じるケースがあります。
それはリスケをしない金融機関が今後も新規融資をしてリスケ先の資金繰りを支援する場合です。
今後も新規融資をするということであればその金融機関除きで他の金融機関がリスケに応じることはあります。
リスケに応じない金融機関を説得する
1つの金融機関がリスケに応じない場合には、まずは主力銀行にその事実を伝えて相談をしてください。
1ヶ月前に新規融資をしたばかりだからリスケに応じたくないという主張がわかりますが、全金融機関がリスケに応じて融資先の資金繰りを支援するという課題の下では最終的にその金融機関もリスケに応じざるをえなくなると考えます。
1つの金融機関がリスケに応じない場合のまとめ
以上、1つの金融機関もリスケに応じない場合についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・そのためリスケはすべての金融機関が平等に痛手を受けるというのが条件
・1つの金融機関がリスケに応じないとなると原則としてリスケは成立しない
・ただしその金融機関が今後の新規融資により資金繰りを支援するのであれば別