銀行での融資にはいくつかの形態がありますが、なかでも証書貸付は代表的な銀行融資の形態です。
証書貸付の特徴とメリットについて説明をします。
目次
証書貸付は長期融資に利用される
証書貸付の特徴でもっとも大きいことは証書貸付は長期融資に利用されるということです。
銀行では一般的には融資期間が1年以内のものを短期融資、融資期間が1年超のものを長期融資と呼んでいます。
そして長期融資には証書貸付の形態が多く利用されます。
ちなみに短期融資の場合でも証書貸付が利用されることもありますが、多くは手形貸付での利用となります。
証書貸付は長期融資に利用される
証書貸付のメリット
証書貸付のメリットはさきほどの長期融資と大いに関係があります。
短期融資と長期融資の違い
例えば1,000万円の融資を融資期間6ヶ月の短期融資と融資期間5年の長期融資で利用した場合を比較します。
融資期間6ヶ月の短期融資の場合には1,000万円の融資は6ヶ月後には全額を返済しなければなりません。
これに対して融資期間5年の長期融資の場合には1,000万円の融資は5年という時間をかけて全額を返済すれば良いということです。
長期融資は短期融資に比べて長く借りていられるということ
期限の利益
融資期間は借りる側から見ればその融資期間だけ期限の利益があると言われます。
期限の利益とは融資を借りていられるという借り手側の権利です。
借りる側からすれば当然、期限の利益は長い方が良いに決まっています。
期限の利益は借り手側の最大の権利
資金繰り維持の大切さ
事業を行うにあたりもっとも大切なことは資金繰りを安定させて決してショートさせないことです。
どれだけ売上が増えて利益も増えても資金繰りがショートすればその時点で倒産に至ります。
そのため資金繰りは何としても維持をしなければなりません。
資金繰りを安定させる手段として銀行からの融資は広く利用されています。
ただし融資は返済をしなければなりません。
そのため資金繰りを考えるにあたっては返済のための資金も含める必要があります。
証書貸付は資金繰りの安定に貢献
長期融資に利用される証書貸付はその返済方法は一般的に分割返済です。
例えば証書貸付の融資期間が5年であれば、60回の分割返済となるケースが一般的です。
1,000万円を60回で分割返済をするとなると1回あたりの返済額は17万円ほどの少額となります。
つまり証書貸付は一般的に返済負担が短期融資に比べてはるかに小さいのです。
返済負担が小さいということは間違いなく資金繰りの安定に貢献しています。
このように証書貸付の最大のメリットは期限の利益が長く資金繰りの安定を図ることができるということです。
証書貸付は毎回の返済負担が小さく資金繰りの安定に寄与
証書貸付のメリットのまとめ
証書貸付のメリットについてまとめますと次のようになります。
まとめ
・証書貸付は毎回の返済負担が短期融資に比べて小さい
・返済負担が小さいことは資金繰りの安定に寄与する