手形を受け取ったけれども手形期日までに先に換金をしたいがどうすれば良いかという問い合わせが少なくありません。
原則として手形は期日になって初めて現金化するものですが、期日前に現金化、つまり換金する方法について説明をします。
手形の性質
売上代金を現金や振込ではなく手形にて回収することがしばしばあります。
売上代金として受け取った手形のことを受取手形と言いますが、手形というのは必ず支払期日というものが定められています。
例えば今日、3月31日に売上代金として100万円の手形を受け取り、その手形の支払期日が6月30日だとします。
受け取った手形は銀行口座に入金することとなりますが、100万円が口座に入金となるのは6月30日です。
つまり手形は支払期日になって初めて現金として使えるお金になるわけです。
100万円の手形は手元にあるものの、すぐには現金として使えるわけではなく支払期日まで待たなければいけないのです。
手形割引
このように手形は支払期日まではお金として使えないというのが原則です。
しかし次の仕入資金の支払や従業員への給料の支払などの資金繰りの都合から持っている手形を支払期日までに使いたいという需要があります。
支払期日まで待たずに手形を換金したいという需要です。
これに対応するのが手形割引という方法です。
手形割引は代表的な銀行融資
この手形割引というのは実は銀行の代表的な融資形態の1つです。
さきほどの額面100万円の手形を銀行が利息を差し引いて買い取るというのが手形割引です。
なぜ融資になるのかというと万が一、その手形が不渡りになった場合に、銀行からその手形を買い戻さなければならないからです。
しかしそうしばしば不渡りという事態は現実にはありませんから、資金繰りを回すために手形割引は広く利用されています。
手形割引はどこに行けば良いのか
手形割引を受けたい場合には取引がある銀行に申し込む必要があります。
さきほど説明したように手形割引というのは融資の1つですから審査があります。
審査が通って初めて手形割引を受けることができます。
必ず審査がありますが一般的には手形割引の審査ハードルは通常の融資に比べて低い傾向にあります。
手形の振出人、つまり手形の支払人の信用力も加味することが出来るからです。
仮に手形の振出人がしっかりとした大企業であれば、その手形が不渡りになる可能性は低いと考えられ銀行としても安心して手形割引を行うことが出来ます。
どの銀行に相談するかですが、日頃から売上金を入金に利用している銀行に相談するのが一番でしょう。