個人事業主が融資を受けるには

銀行が行う事業資金の融資は会社だけではなく、事業を行っている個人事業主も利用をすることができます。
それでは具体的に個人事業主が銀行から融資を受けるにはどのようにすれば良いのでしょうか？
ここでは個人事業主が銀行から融資を受けるにはどのように手続きをすすめれば良いのかを融資担当の銀行員がわかりやすく説明をします。

個人事業主も会社も基本的には同じ

まず最初に個人事業主が銀行から事業資金の融資を受けるにあたっては、基本的に会社が銀行から融資を受ける場合と同じです。
融資を行う銀行から見れば事業資金の融資を行う相手方が会社の形態なのか、個人経営の形態なのか、事業形態の違いだけであって、事業で必要となる資金を融資することについて違いはないからです。
実際に銀行で行っている事業資金の融資の手続きにおいて会社と個人事業主で違いはほとんどありません。

個人事業主が銀行から融資を受けるには

それでは個人事業主が銀行から融資を受けるにはどうすれば良いのか、その具体的な手順を説明します。

まずは事業内容の説明から

まずは個人事業主が行っている事業の内容を説明できるようにしてください。
何か事業内容を説明している案内書があれば良いですが、なくてもまったく問題はありません。
製品や商品のサンプルを持参するのも効果的です。

業績の説明

業績の説明においては確定申告書3期分を用意してください。
創業からそれほど時間が経っていない場合委は、ある分だけの確定申告書だけでもOkです。

融資希望金額と資金使途を伝える

そして融資を希望する金額とその資金使途、つまり使い道を説明してください。
運転資金として使う、製造のための機械を購入する、事業用のトラックを購入するなど、簡単で大丈夫ですので融資の資金使途を伝えてください。

銀行による融資審査

事業の内容などの説明や確定申告書などの業績確認資料を説明すれば、それを受けて銀行では融資の審査を行います。

この図は実際に銀行で行っている融資審査の全体の流れを示したものです。
会社であろうと個人事業主であろうとこの流れに沿って融資審査が行われます。

審査がOkになれば融資契約

銀行での融資審査が終了し融資がOkとなれば、いよいよ融資の契約です。
融資の契約時には印鑑証明書などの書類の提出が必要となりますが、これらは事前に銀行から案内がありますのでその指示に従ってください。
融資の契約を経て融資が実行されます。
個人事業主が銀行から融資を受けるには冒頭の事業内容の説明と確定申告書の準備、それと融資の資金使途を説明するだけで大丈夫です。
あとは銀行が必要に応じて質問や追加の説明を求めてきますので、それにきちんと回答すれば良いのです。

個人事業主向け融資の特徴

銀行が行う個人事業主向けの融資は会社宛の融資と同じなのですが、個人事業主向けの融資の多くは信用保証協会の保証制度を利用した融資となります。
個人事業主は上場企業などの大企業に比べるとどうしても事業基盤が弱く業績も不安定な側面があります。
銀行の融資審査の最大のポイントは融資がきちんと返済されるかどうかという返済能力の審査です。
事業基盤が弱く業績が不安定な側面を持つ個人事業主には銀行は融資の貸倒を心配して融資がしづらい特徴があります。
しかしそれでは個人事業主は銀行からスムーズに融資を受けることができなくなります。
そこで登場するのが信用保証協会です。

信用保証協会の存在

信用保証協会は個人事業主が銀行から融資を受ける際に一種の保証人になってくれる公的機関です。
銀行としても公的機関である信用保証協会が融資の保証人になってくれるのであれば、安心して個人事業主に対して融資を行うことができます。
そのため銀行が行う個人事業主向けの融資の大半は信用保証協会を利用した融資である特徴があります。

信用保証協会を利用するには

信用保証協会を利用するには信用保証協会に保証の申し込みを行う、信用保証協会の審査に通る必要があります。
信用保証協会への申し込みは銀行経由で行います。
別途、信用保証協会に保証の申し込みを行う必要はありません。
申込書類などは銀行の方で準備をしてくれます。
信用保証協会に保証の申し込みを行うと信用保証協会で保証を行うかどうかの審査が行われます。
質問等があれば信用保証協会は銀行に行います。
直接、信用保証協会から質問の連絡がくることはありません。
銀行の融資審査はこの信用保証協会の審査がOkになってから行われます。

個人事業主が融資を受けるにはのまとめ

以上、個人事業主が銀行から融資を受けるにはどうすれば良いのかについてまとめますと次のようになります。