銀行融資の代表的なものは運転資金と設備資金の2つです。
ここでは設備資金について説明します。
設備資金は一般的に金額も多額になりかつ融資期間も長期となりますから銀行の本格的な融資との位置づけです。
設備資金とは
車両や機械の購入、店舗の新規開店費用や改装費用、事務所不動産の購入費用など事業の設備に関わる資金が設備資金です。
銀行融資の審査では運転資金と設備資金ではやや審査ポイントが異なります。
運転資金は基本的には売上代金回収までのつなぎとしての融資です。
したがって理論上の運転資金の返済原資というのは売上金ということになります。
事業が継続されている限り、売上金というのはたえず回収されますから、銀行融資の返済はいつでも可能と言うことになります。
(もっともこれはあくまでも理論上の話で、実際は売上金によって次の仕入などに回す必要があり、銀行融資の返済まではなかなか回らないのが実態です)
これにくらべて設備資金というのはこの設備によって収益を生み出し、その収益こそが設備資金の返済原資ということになります。
設備資金の特徴
特徴その1 融資金額が多額なる
設備資金は設備投資に対する融資ですが、一般的に設備投資は金額が多額になることが多いと思います。
もちろん数百万円程度の新しい機械を購入するのも設備投資ですが、数十億円を投じて工場を新設するのも設備投資です。
銀行から融資を受けて設備投資を行う場合には大掛かりな設備投資であることが多く、融資額も多額になる傾向があります。
特徴その2 融資期間が長期
設備投資というのは今後長期間にわたり事業活動に使用されるものです。
長期間にわたる事業活動によって得られた収益にて投資した資金を会社や個人事業主は回収していくことになります。
これに応じて銀行の設備資金の融資期間も長期間に及ぶことが一般的です。
ただし長期間の融資といっても一般的には10年が最長だと考えてください。
不動産投資など一部の融資は融資期間が10年以上になることもありますが、一般的には設備資金の融資期間は最長10年までと考えてください。
設備資金融資の申込みポイント
設備資金の銀行融資申込みにおいては、何といっても設備投資後の今後の収益見通しの説明が必須です。
設備投資を行う会社や個人事業主も投資の効果を検討すべくこの先の見通しを予想すると思いますが、この計画が銀行融資の申し込みには欠かせません。
次の図をご覧ください。
これはある会社が設備資金の融資の申し込みにあたり銀行に提出をした収益返済計画です。
今後の売上や利益も見込みが記載されています。
また今後の収益により設備投資の借入金が返済出来るのかどうかが記載されています。
銀行では提出を受けた収益返済計画の妥当性や実現可能性をなどを詳しく検証し、設備資金融資の可否判断を検討することになります。
設備資金は慎重な判断が必要
このように設備資金が多額になることが多く、設備投資を行う会社や個人事業主にとっても事業を伸ばすチャンスであるとともに大きな負担を抱えることにもなります。
計画通りに設備投資の効果が得られればそれは成功だと言えますが、もし計画通りの効果が得られなければ設備資金融資の大きな負担が重くのしかかることになります。
このため融資を行う銀行も慎重な融資判断を行います。
設備投資はとにかく慎重な判断のもので実施の可否を判断しましょう。