融資審査マンの見方

赤字決算を何回すると融資が難しくなる?

赤字決算に対する銀行員の印象

銀行員の思考
銀行では融資の申し込みを受けた場合、その都度、審査を行っていますがこの審査可否判断の究極のところは貸したお金が返ってくるかどうかです。
融資先の返済能力をいくつかの視点から分析しきちんと返済出来る見込みがあるかどうかを審査しています。
この視点において赤字決算というのは審査上もっとも大切な「貸した金が返ってくるかどうか」が危ういことを示しています。
個人で借金をした場合、借金が返せるかどうかはお金に余裕があるかどうかです。
お金に余裕がなければ借金を返済するどころか、新たな借金を作ってしまい、ますます借金が膨らんでいきます。
このお金に余裕があってはじめて借金の返済が可能となるはずです。
このお金に余裕があるというのは決算でいえば黒字決算だといっても良いでしょう。
赤字決算というのはお金に余裕がないことにつながりますから、貸したお金が返ってくるかどうかが疑わしいということです。
銀行としては貸したお金が返ってこない、回収出来ないのに融資を行うことは非常に困難な事柄です。
一般的に赤字になると銀行が融資を渋るというのはこの理由です。
しかしながら赤字決算であっても銀行が融資に応じるケースはいくらでもあるのが現実です。
このあたりはどのような理由からだと思いますか?

赤字決算でも銀行が融資を行うケース

赤字決算であっても銀行が融資に応じるケースのうちよくある事例をいくつか列挙します。

1.担保がある
2.赤字が一時的な要因である
3.今後の改善見込みがある
4.簡単に融資先を潰せない


まず1の担保がある場合です。
もっとも担保があるから銀行が融資に応じるとは必ずしも言えないのですが、やはり担保があれば万が一融資先が返済不能に陥っても担保を処分することで融資を回収することが出来ます。
つまり「貸したお金が返ってくる」ということです。
つぎの2.赤字が一時的な要因の場合です。
赤字決算に陥ってしまう理由はいろいろですが、例えばたまたま前期に役員退職金の支払いをして特別損失が発生したため最終的に赤字になってしまった場合には、この赤字は本源的な赤字だとは言えません。
役員退職金の支払という一時的な特別なことがあったために赤字決算になってしまったということであれば、来期以降は再び黒字決算になることは期待出来ます。
このような一時的な要因で赤字決算になってしまった場合には銀行も赤字になったことに対してそれほど心配をしません。
お金を貸しても来期以降の黒字決算でお金が返ってくると考えられるからです。
3.の今後の改善見込みがあるですが、赤字決算であったとしても具体的に来期以降に決算が改善出来る見込みがあるのであれば、やはり融資先の事業継続を尊重して銀行は融資に応じる可能性が高いと言えます。
最後の4.簡単に融資先を潰せないですが、これは特に主力銀行の場合に当てはまります。
主力銀行というのは融資先の資金繰りを支援し事業を継続させる社会的な役割を担っており、銀行自身もそのことを認識しています。
可能な限り銀行は融資により資金繰りを支援し倒産しないように事業継続を支援することを意識しています。
もっとも現実的なことを言えば、融資に応じずに融資先が倒産する引き金を銀行は引きたくないのです。
したがって赤字決算の場合には主力銀行や準主力銀行に融資相談することをおすすめします。

赤字決算がどれだけ続くと融資が難しくなるか

さて、本題の「赤字決算を何回すると融資が難しくなる?」ですがこれは決まったルールのようなものはありません。
たった一回の赤字決算だけで融資に銀行が応じないことは少ないはずですが、3回連続赤字であっても銀行が融資に応じるケースはいくらでもあります。
逆に2回連続の赤字決算で以降の融資を断るといった対応ももちろんあり得ます。
ではその分かれ目は何かですが、これはさきほどの1から4の中で特に2の今後の改善見込みの有無のところです。
残念ながら赤字決算が続いているものの、融資先自身も努力をして連続している赤字決算というトンネルの先に明るい光が見えているのであれば銀行としても支援をしたいところです。
逆に「世の中の景気が悪いからしょうがない」などと赤字の原因のほとんどを外部のせいにし、自社では何ら改善に向けた努力をしていない場合には銀行としても支援はしたくありません。
このあたりは赤字決算が続いていても融資が受けられるかどうかの分かれ目となります。

関連コンテンツ

-融資審査マンの見方
-,