信用保証協会は中小企業や個人事業主の資金調達において強い味方になってくれる公的機関です。
運転資金や設備資金を信用保証協会の保証制度を利用して銀行から融資を受けることができるようになります。
ここでは設備資金の融資を信用保証協会の保証制度を使って利用する場合の注意点を説明します。
目次
融資の資金使途管理
信用保証協会の保証制度を使った融資は銀行が行いますが、銀行では融資が資金使途通りに使用されているかどうかをチェックしています。
そして今回のテーマである設備資金融資については特に厳格に資金使途が管理されています。
銀行では融資の資金使途管理を行っている
設備資金融資の資金使途管理
設備資金とは機械を購入する、店舗の内装工事をする、資材置き場用の不動産を購入するといった事例が該当しますが、共通していることは支払う金額や支払先が明確になっているということです。
例えば店舗の内装工事を例にとります。
店舗の内装工事を行うには工事業者から見積もりの提示を受けて、最終的に発注する工事業者を決めていくことになります。
信用保証協会の保証付にて銀行からこの内装工事費用の設備資金融資を受ける際には、発注する工事業者から提出を受けた見積書をエビデンスとして融資申し込みを行うこととなります。
そして銀行ではその見積書をもとにして設備資金融資の可否を審査していくこととなります。
つまり設備資金融資においては支払金額、つまり工事代金と支払先、つまり工事業者が明確になっているということです。
資金使途管理の具体的な方法
設備資金融資の資金使途管理の方法は銀行によって多少異なりますが、共通していることは支払先、つまり工事業者からの領収書の提出を事後的ながら銀行は求めるということです。
そしてその領収書を確認することで設備資金融資がきちんと工事業者に支払がされたかどうかを確認しているのです。
設備資金融資の資金使途違反
仮に設備資金融資として500万円が実行されたとします。
そして領収書の金額が500万円以上であれば、銀行は設備資金融資がきちんと資金使途通りに利用されたと考えます。
ところが領収書の提出が例えば400万円であった場合、差額の100万円がどこにいったのかということです。
工事代金を割引等を受けて当初よりも工事代金が安くなったために、設備資金融資が100万円余ったというような場合にこのようなケースが発生します。
余った100万円を運転資金に使ったとか、株式投資をしたとか、いずれにしても内装工事費用以外に使用した場合にはこれは設備資金融資の資金使途違反となります。
設備資金を運転資金などに利用すればそれは資金使途違反
設備資金融資の資金使途違反を行った場合
設備資金融資の資金使途違反を行った場合、まず銀行からは少なくとも資金使途違反となった金額をただちに返済するように求められます。
ケースによっては設備資金融資全額を即時全額返済するよう求められることもあります。
また信用保証協会には設備資金融資を受けた銀行経由で領収書の提出が求められます。
設備資金の資金使途違反を行えば信用保証協会に領収書の提出ができません。
こうなると信用保証協会では少なくとも資金使途違反となった設備資金融資が全額返済とならない限り、新規の保証制度を利用することができなくなります。
つまり信用保証協会が利用できなくなるということです。
設備資金融資の資金使途違反を行うと銀行取引、及び信用保証協会に利用において大きなペナルティを受けることとなります。
信用保証協会付設備資金融資の注意点のまとめ
まとめ
・設備資金融資においては特に厳格に資金使途管理を行っている
・設備資金融資の資金使途違反が発生すれば、銀行から返済を求められたり信用保証協会の利用ができなくなるなど大きなペナルティを受けることとなる