設備投資に借入した設備資金融資の返済が苦しいなどの理由で設備資金融資の借り換えの相談は時々あります。
設備資金融資の借り換えに対する銀行の考え方を説明します。
設備資金の借り換えに関する質問
小さな金属加工の会社を経営しています。
3年ほど前に加工用の機械の買い替えを行い、銀行から機械購入のための設備資金融資を受けました。
しかし当初見込んでいたほどの受注が取れずに思ったほどの売上が確保できていません。
そのため資金繰りが苦しくなり設備資金融資の返済が厳しくなってきました。
そのため銀行に融資期間を延ばしてもらいたいと思い、設備資金融資の借り換えのお願いに行きましが、銀行からはそれはできないと断られました。
設備資金融資の借り換えはできないのでしょうか?
設備資金の借り換えはできない
結論から申し上げて設備資金融資の借り換えはできません。
あくまでも理屈なのですが、設備資金の融資は対象となる設備投資を行いそこから生み出される利益によって返済するということを銀行では立て付けにしています。
設備資金融資の返済が苦しいということは質問にもある通り、当初予想していたほど利益が獲得できていないということです。
そのため設備資金融資の返済が苦しくなっているのです。
設備資金の融資の借り換えをして返済期間を延ばすとなると、それは返済条件を緩和したこととなり銀行は今まで以上の貸倒引当金を積み増しする必要が出てきます。
貸倒引当金というのは銀行にとってはコストですから、簡単に設備資金融資の借り換えには応じられない台所事情があるのです。
設備資金の借り換えは返済条件緩和となり銀行にとってはコスト増となる
設備資金融資の返済が苦しい場合の現実的な対応方法
しかし現実には質問のように設備資金融資の返済が苦しいといったことは多数発生しています。
このような場合には設備資金融資に手をつけるのではなく、全体の資金繰りの安定を図る目的で銀行は別途運転資金名目の融資をして資金繰りの安定を図ることを検討します。
設備資金融資を借り換えして返済負担を軽減するのではなく、別途運転資金名目の融資を行い資金繰りの支援を行うのが銀行の現実的な対応方法です。
別途運転資金名目の融資を行い資金繰りの支援を行うのが現行の現実的な対応方法
設備資金の借り換えに関するまとめ
以上、設備資金融資の借り換えに関することをまとめますと次のようになります。
まとめ
・設備資金融資には手をつけずに別途資金繰り支援を検討
・名目上の運転資金融資を行う融資先の資金繰りの支援を行うのが銀行がよく取る対応方法