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銀行融資の基本 中小企業社長との面談日誌

融資の金利だけで銀行を選別する法人

融資はどこの銀行から借入しても同じお金で区別はありません。
同じお金であれば当然に金利は低い方が決まっています。
しかし融資の金利選好が強すぎると安定した資金調達に支障が生じる場合があります。

業績優良先から融資の相談

ある日スポーツ用品を取り扱うM社の社長から一本の電話がかかってきました。
「来月末に借入を考えています。お宅の条件を明後日までに提示をしてほしい」というものです。
M社の業績は堅調で日頃から融資ボリュームを増やしたいと考えていました。
取引銀行は当行の他に3行と取引があり、どの取引銀行も日頃から積極的な対応をしていました。
当行は以前は融資額で取引銀行中第2位の位置にありましたが、直近では第3位に甘んじており、日頃から融資シェア回復の機会を窺っていたのです。
私は上司に何とか今回の融資を獲得してシェアを回復したいこと、日頃から金利などの条件が厳しい先なので、思い切った低金利の条件提示をしたいことを訴えました。
上司からはちょうど今、銀行全体で優良先への低金利の特別ファンドを募集しているから、そのファンドを利用して条件提示をしてみればとのアドバイスをもらいました。
私はM社の社長から指定された回答期日に電話連絡を行い、特別ファンドを利用した低金利の融資条件を提示しました。
社長からは「おお、今回はなかなかいい金利だね。今までに回答のあった銀行の中では一番低い金利だよ。あと一行から回答を受けていないが、このままだと今回はそちらで借入することになると思うよ」との反応をもらいました。
私は上司にその旨を報告しました。
上司からは「まだ安心は出来ないよ」と少しブレーキを踏まれました。

繰り返される融資金利引き下げ要請

私は今回の融資は当行で対応出来ると内心喜んでいました。
そしてその日の夕刻にM社の社長から電話がかかってきました。
私としては「今回はそちらでお願いする」という内容を予想して電話に出たのですが、社長からは「実はあの後、そちらから提示のあった金利を他の銀行にも伝えたんだよ。そうしたらそちらより高い金利を提示していたA信金から、もっと低い融資の金利の再提示があったんだよ。今回はそちらでと考えていたんだ。どうかな。お宅はもっと金利を低く出来る?」といった内容でした。
私は内心「うちの金利を他行に言わないでほしい」と思いつつも「そうですか。わかりました。もう一度検討してみます。少し時間をください」といって電話を切りました。
私はすぐに上司にさきほどの社長とのやり取りを報告しました。
上司は「しょうがないな」といった顔つきをしながらも、最終的にA信金よりもさらに低い融資金利を提示することを承知してくれました。
ただ上司からは「社長にはこれが最後の提示です」ということをしっかりと伝えるように言われました。

社長から借りると言われる

私はさっそくM社の社長に連絡をし、A信金よりもさらに低い金利を提示しました。
社長からは「お、やるじゃない。じゃ、今回はそちらでお世話になるよ」と言われました。
私はとにかくM社に久しぶりに融資ができ、シェアアップに成功することを喜びました。
そしてさっそく融資の稟議作成にかかりました。
ところが翌日、M社の社長から再び連絡が入り、「A信金に今回はそちらから借入することを伝えたところ、さらに低い金利の提示があったんだよ。そちらもこの金利で大丈夫かな?無理であればA信金から借入するけれど」と思いかげない内容を耳にしました。
私は「昨日、社長はうちから借入してくださるとおっしゃったじゃないですか」と言いましたが社長からは「でもA信金の方が金利が低いのだからしょうがないでしょう」と反応でした。

融資金利だけが判断材料なのか?

私はこの社長からは連絡受けて、ピンと張っていた糸が切れる思いをしました。
これではバナナのたたき売りと一緒です。
私は取引先と銀行との取引は長い取引が出来ることが大切との思いを持っていました。
また取引は何も融資取引に限られるものではなく、預金取引や為替取引など複合的なもののはずです。
しかし残念なことにM社の社長の頭の中には「融資の金利が低いところから借入をする」と一点だけのように私は感じました。
私としてはA信金の金利とあまりにも差があるのであれば、やむを得ないのですが、その差はほんのわずかなものでした。
さらにM社には振込手数料の優遇など融資金利以外のところでも、一定の努力をしているつもりでした。
ただ金利の比較だけで取引銀行を選別し、総合的な判断をしていただけないM社の社長に私は嫌気がさしてしまったのです。

融資金利の選別が強すぎると銀行は離れます

私は上司にM社の社長からさらに金利の引き下げ要請があったこと、しかし自分自身としてはこれ以上の引き下げには応じたくない旨を報告しました。
上司からも「気の考え方でいいよ」と言われ、私は社長に連絡をし、当行としてはこれ以上の金利の引き下げは無理であることと、他の取引を含めた総合的な判断で借入する銀行を決めてほしいとお願いをしました。
しかし結果は、A信金からの借入でした。
日常的によくある事例ですが、金利で取れた融資は簡単に金利で取られてしまいます。
また金利だけで勝負するほどレベルが低く、また疲労がたまる交渉事はありません。
融資金利以外の分野でも取引の拡大を図り、取引先に金利だけを判断材料にしていただかないように日頃からのコンタクトが大切です。
また融資以外の取引振りの充実がここぞというところでの融資の可否判断に大きな影響を与えます。

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