融資審査マンの見方 銀行融資の基本

会社が3期連続赤字になったら、金融機関の対応はどうなりますか?

3期連続赤字で銀行が気にすること

融資先の赤字が続いている場合、銀行がもっとも気にするのは融資が回収出来るかどうかという点になります。
3期連続赤字の場合には融資先が構造的に赤字体質になっていることが懸念され、ますます融資の回収が危険視される状態だと言えます。
次の図をご覧ください。
損益計算書1
これはある中小企業の最近3期間の損益計算書です。
売上が年々低下しており、これに伴い赤字幅も年々拡大しています。
赤字が続いており資金繰りが苦しくなってきていることが容易に想像され、資金繰りを補填するための融資も簡単には受けにくくなっていると客観的に考えられる状況です。
融資をしている銀行としては今後の返済に懸念を抱かざるを得ない状況と言えるでしょう。

銀行の一般的な対応方針

銀行は一般的に融資先の業績等に応じて次の4つの融資対応方針(与信方針)を策定しています。
与信対応方針
一番上の積極対応方針は文字通り提案営業を含めて積極的に融資対応を行うというものです。
業績は順調であり銀行としても原則としてドンドン融資を伸ばしたいという方針です。
次は業況注視方針です。
これは融資先の足元の業績が低下してきており、注意をしながら対応していく必要があるというゾーンです。
銀行としても積極的に融資を行うことは控えて今後の見通しや資金の必要性、取引地位などを検討して融資可否を慎重に対応していく考え方です。
なお融資を行わないということではありません。
あくまでも注意をしながら状況を見て融資可否を慎重に判断するというものです。
次が保全確保方針。
融資先の業況が悪化しており貸倒れを防ぐための動きをもっぱら行っていく考え方です。
無担保与信が発生している場合には、担保を取って保全を固めていくゾーンでもあります。
仮に融資を行うにしても信用保証協会の保証付き融資や担保を取って対応するというゾーンです。
いずれにしても融資には相当注意を払って検討し、融資よりも保全を固めることを優先する方針です。
最後は回収方針。
これは文字通り、新規融資には対応せずにとにかく融資の回収に注力をしていく考え方です。
銀行として融資先を危ない先と断定しており、貸倒れが生じないように最善を尽くす方針です。

3期連続赤字の場合の方針は?

今回の中小企業のように3期連続赤字となり、改善の兆しが具体的に見えていない場合には銀行の対応方針は業況注視方針以下、つまり業況注視方針、保全確保方針、回収方針のいずれかになります。
積極対応方針はあり得ません。
業況注視方針、保全確保方針、回収方針の中でも保全確保方針以下になる可能性が高いと言えます。
つまり新規融資には銀行は極めて慎重姿勢でありもっぱら貸倒れを最小化する動きに軸足を置くことになります。

融資先(債務者)が考えるべきこと

このように赤字の状態が続くと銀行は融資の回収に向けた動きが強まった対応となります。
資金繰りが苦しい場合でもなかなか融資が受けられなくなります。

ココがポイント

したがって融資先としてはどのように黒字転換、つまり業績の立て直しを図るのか、じっくりと銀行と相談されることをおすすめします。
銀行の理解が得られれば、資金繰りを維持し事業を継続するための最低限の資金は融資が受けられる可能性はあります。
特に主力銀行の場合には社会的にも融資先を支援するという役割がありますから、主力銀行中心に相談をしてください。

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