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融資審査マンの見方 銀行の本音

銀行の融資審査に通らない理由 取引状況

銀行の融資審査の中心は決算内容の良し悪しです。
決算書を分析して返済ができるかどうかを見極めているのです。
しかし業績以外の理由で融資の審査に通らないこともあります。
銀行との取引状況で融資の審査に通らないことがあるのです。

取引状況とは

取引状況というのは、以前から現在までの銀行との取引状況のことです。
取引状況から決算書では見いだせない融資先の真の姿を見つけることができます。
取引状況は決算書では決してわからない融資先の真の姿ということで融資審査においても重要な材料として利用をしています。

延滞有無の確認

では銀行での融資審査においてよく見ている取引状況をいくつかご紹介をします。
最初は過去から現在までの融資の返済状況、つまり延滞があったかどうかの確認です。
返済日にきちんと返済されているかどうか、延滞が発生したことがないかどうかという点です。
銀行としては融資の返済が約定日にきちんと行われるのが「当たり前」というスタンスを持っています。
融資の契約通りに返済するということは、これは銀行と融資先との約束事ですから、この約束事がきちんと守られているかどうかは必ず確認をしています。
約束を守る取引先がどうかということです。
時々ですが、資金繰りに問題はないものの、ついうっかり入金をし忘れていたということがあると思います。
1回程度であれば問題にはしないのですが、数か月に1回程度など、何度も「入金し忘れによる延滞」がある場合には、例えば財務内容が良好で資金繰りに懸念がない融資先であっても、「管理面がずさん」とのマイナスイメージを銀行は抱きます。
融資の契約通りにきちんと返済する、約束を守る先なのかどうかという点に疑いを銀行は持つわけです。
また本当に入金忘れによる延滞なのかどうかは本当のことはわかりません。
ただし客観的に言えることは何度も延滞が発生するということは資金繰りが苦しいのではないかという懸念です。
むしろ資金繰りが苦しいからこそ何度も融資の返済が延滞すると銀行は考えます。
当然、融資の審査に通らないことになります。

預金口座利用状況の確認

預金口座の利用状況は「融資が返済出来るかどうか」という融資審査の核心的な要素ではありませんが、融資先の足元の業績動向をリアルに把握出来るという点で融資審査時には必ず確認をしています。
また融資取引のみならず、売上の入金や支払に預金口座を使っていただくと銀行はうれしいものなのです。
「財務内容に少し懸念はあるが、預金口座をきちんと使っていただいているので融資には応じよう」という判断をすることは決して珍しいことではないのです。
逆に融資取引があるものの、預金口座がまったく使用されていない、つまり融資の返済だけに預金口座が利用されているような融資先には、やはり「やる気」をなくしてしまいます。
これが銀行員の正直な気持ちです。
時折、融資取引のない銀行に「わざと」売上の入金や支払の利用を集中している融資先がありますが、このような取引対応は損だと思います。
そのような融資先には突っ込んだ取引や勧誘は行いません。
深い取引が出来ない先と銀行は考えるからです。
融資取引のある銀行には面倒でも売上の入金や支払の取引を意識して利用することも銀行とのうまいつきあい方の1つだと考えます。

まとめ

過去の融資の延滞有無の確認は取引先の信用力に直結することですから、融資審査の王道の判断材料と言えるでしょう。
しかし預金口座の利用状況は取引先の信用力には直結しているとは言えません。
ところが銀行はこの預金口座の取引状況も融資審査の判断材料としているのです。
いつも使ってくれている取引先であれば、決算内容は盤石とは言えないが融資にて応援しようとする判断は実際にはあるのです。
単に融資が返済できる、できないだけで審査に通る、通らないだけの融資判断をしているわけではありません。

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