中小企業金融対策の融資は中小企業の資金繰りを支援するための低利の融資制度です。
この低利の中小企業金融対策融資で他の融資の決済はできるのでしょうか?
中小企業金融対策融資に関する質問
取引銀行から中小企業金融支援対策の融資を受けました。
その取引銀行には他の融資があるため、その中小企業金融対策融資で他の融資を決済したいと考えています。
取引銀行にそれまでに受けている融資の決済を申し入れたのですが、それはできないと断られました。
なぜでしょうか?
納得できません。
取引銀行銀行から受けている融資を決済することはできないのでしょうか?
旧債振替
民間の銀行から中小企業金融対策融資を受けるには信用保証協会の保証付融資となります。
中小企業金融対策融資の中には他の融資を借換することを認めているものもありますが、今回の質問のケースではおそらくそうではないでしょう。
借換することを認めているもの以外の中小企業金融対策融資はこれから必要となる運転資金などを対象にしている融資制度です。
それにも関わらず他の融資の決済に充てるということは、それは制度上の条件違反となり旧債振替と呼ばれる禁止事項に該当します。
もしそれを銀行が認めればそれは中小企業金融対策融資の制度に反するばかりではなく、信用保証協会の保証条件にも違反することとなり、将来万が一の場合にその銀行は信用保証協会から代位弁済を受けられなくなります。
銀行としては絶対の飲めない一線です。
融資で他の融資を決済することは旧債振替となり銀行は絶対の飲めない一線
中小企業金融対策融資で他の融資を決済する方法
ではどうすれば良いのでしょうか?
1つだけ方法があります。
それは中小企業金融対策融資で受けた資金は当初の契約通りに運転資金として全額を使用します。
その後に、売上代金などで他の融資を決済するのです。
理屈の上では中小企業対策融資はきちんと運転資金として使用したことになります。
他の融資の決済は中小企業金融対策融資の資金ではなく、売上代金という別の資金で決済するわけですから旧債振替には該当しません。
実質的には中小企業金融対策融資で他の融資を決済することになるかもしれませんが、あくまでも売上代金という別の資金で他の融資を決済するわけです。
中小企業金融対策融資はあくまでも運転資金として使用し、その後の売上代金で他の融資を決済する
決済時期は銀行と相談してください
理屈の上では上記のとおりなのですが、中小企業金融対策融資の実行時期と他の融資の決済時期が近接している場合、実質的には旧債振替とみなされてしまう危険があります。
そのためいつ他の融資を決済するかは銀行と相談をしてください。
できれば中小企業金融対策融資の実行時期と他の融資の決済時期は半年程度の間隔を開けてほしいところです。
半年程度の間隔があれば、中小企業金融対策融資にて実質的に他の融資を決済したのではなく、その後の売上代金などの余剰金で他の融資を決済したと言えるでしょう。
他の融資を決済する時期は銀行と相談をする
中小企業金融対策融資と他の融資の決済に関するまとめ
以上、中小企業金融対策融資と他の融資の決済に関することをまとめますと次のようになります。
まとめ
・中小企業金融対策融資で他の融資を決済することは銀行としては絶対に飲めない一線
・中小企業金融対策融資はあくまでも運転資金し、その後の売上代金で他の融資を決済する
・中小企業金融対策融資の実行時期と他の融資の決済時期は半年程度は開ける