赤字だと銀行が融資をしないとよく言われますが、実際には赤字企業にも銀行は融資をしています。
さて4期連続赤字となると相当厳しい状況です。
4期連続赤字で銀行から融資を受ける条件などを説明します。
目次
4期連続赤字に関する質問
中小企業の社長をしています。
4期連続の赤字です。
そのため取引銀行からの融資がないととても資金繰りが持たなく会社の継続は難しい状況です。
今回、半年前に融資を受けて返済が進んだ分の融資を申込みました。
もう今回は融資はダメでしょうか。
気になることが2つあります。
1年ほど前に古い機械の買い替えのため設備資金の融資を受けましたが、資金繰りが厳しかったため機械の購入をやめて運転資金に使ってしまっています。
銀行にはこのことは言っていません。
2つ目に気になることですが、前回融資を受けた際に今後の経営の改善計画を提出しましたが、まったくその通りになっていません。
本音は会社を辞めたいのですが、若い従業員もいるので簡単に会社を辞めるわけにはいきません。
銀行からの融資の今の私の会社にとっては命綱ですが、今回の融資はもう無理でしょうか?
赤字企業に融資をする銀行の理屈
冒頭に銀行は赤字企業に対しても融資をすると申し上げましたが、赤字企業に銀行が融資するにおいては銀行なりの理屈というものがあります。
それは、
今回の融資により当面の資金繰りが維持され事業を継続して改善の見込みがある
というものです。
この理屈がないと赤字企業に対して銀行が融資をするのは厳しくなります。
銀行は取引先の資金繰りを支援して事業継続を支えるという社会的な役割というものがあります。
赤字企業に対して銀行が融資をするのは、まさに
取引先の資金繰りを支援して事業継続を支える社会的役割
そのものに基づくものです。
この理屈がないと赤字企業に銀行は簡単には融資をしません。
4期連続赤字のインパクト
4期連続赤字となりますと現実問題として今後の経営の改善見込みが本当にあるのか非常に疑わしい状況です。
正直に言って4期連続赤字の会社に融資をするには銀行にも勇気が必要となってきます。
仮に融資により資金繰りを支援してもその融資が返ってくるのかどうか、非常に疑わしいですし、仮に返ってくるとしても何年先のことはわかりません。
銀行の融資の原資は多数の預金者による預金です。
銀行は預金者という他人の資金を使って融資をしているのです。
融資回収の見込みのない融資をするということはこの預金者に背を向けることにもなりかねません。
簡単に融資をすることはできません。
担保などはもうないでしょうから、
4期連続赤字から脱却して本当に融資が返済できるのかどうか、その見通しが具体的にあるのかどうか
が融資可否の分かれ目となります。
4期連続赤字で銀行から融資を受ける条件
4期連続赤字で銀行から融資の支援を受けるには最低限として以下の条件を満たす必要があります。
身を切る自助努力
まずは銀行からの融資だけに頼るのではなく、その会社自身が業績改善に向けた具体的な身を切る自助努力をすることです。
社長の給与は生活に必要最低限の水準まで落とす必要があるでしょう。
社長の給与はそのままというのは許されません。
また徹底的な経費などの削減も絶対条件です。
いくらのお金になるかは別にしてゴルフ会員権やリゾート会員権、保険などは売却、解約をして資金繰りの一助にすることも必要でしょう。
経営改善に向けた具体的な見通し
上記の身を切る自助努力をしつつ、今後の具体的な経営改善に向けた施策が必要です。
バラ色のものではなく着実に絶対に履行可能な経営改善に向けた施策が必要です。
身を切る自助努力をしてさらに経営改善に向けた具体的な施策の実行
が4期連続赤字で銀行から融資を受ける絶対条件となるでしょう。
4期連続赤字と銀行からの融資支援のまとめ
以上、4期連続赤字で銀行から融資を受けることをまとめますと次のようになります。
まとめ
・しかし4期連続赤字となるとかなり厳しい状況
・銀行からの融資支援以前の問題として身を切る徹底的な自助努力が必要
・さらに今後の経営改善に向けた具体的でかつ着実な施策の実行が必要