銀行は融資を検討する際にその資金使途について神経を使っています。
貸付金があると銀行からの融資が難しくなる傾向がありますが、実際どうなのか。
貸付金があっても融資は借入可能なのかどうかを説明します。
目次
貸付金と融資に関する質問
中小企業を経営しています。
現在、信用金庫から約500万円の借入があります。
この信用金庫からまた融資を受けようと思っております。
しかし貸付金があると融資が受けられなくなると聞いたことがあります。
信用金庫に返済の遅れがありません。
毎月、遅れることなく返済を続けています。
貸付金は私自身のポケットに入れたものではなく、領収書が出ないお金について貸付金として処理をしたものです。
貸付金があると融資の借入可能性は低くなりますか?
貸付金を銀行が嫌う理由
銀行が中小企業などの事業者に融資するのは事業資金として利用してもらうことを大前提にしています。
融資を事業活動に使用してもらい、事業を継続させそして発展し融資先の成長を期待して銀行は融資を行うのです。
そしてその融資の返済は事業活動によって生み出される収益によって返済されることを前提にしています。
銀行の融資は運転資金などの事業資金に利用されることを大前提にしている
貸付金は収益をもたらさない
一般事業法人において貸付金は事業にはまったく関係がないものです。
また貸付金が収益を生み出すことはまずありません。
さらに貸付金はそれだけ資金繰りを悪化させる要因となります。
本来は運転資金などの事業資金に利用される資金を貸付金に使うわけですから、その分だけ事業資金が不足することとなります。
貸付金の存在は百害あって一利なしです。
そのような貸付金は銀行の融資がその貸付金に流用されてしまう懸念を銀行は持ちませんし、資金繰りの悪化を懸念します。
だから貸付金があると銀行は融資に慎重な姿勢になるのです。
貸付金は収益を生み出さないし、資金繰りの悪化を招く
貸付金がある場合に銀行から融資を受ける方法
では貸付金があると一切、銀行から融資が受けられないのかというとそうでもありません。
実際に貸付金がある中小企業にも銀行は融資を実行しています。
貸付金がすでに存在している状態で、その後銀行から融資を受けるには1つの絶対条件があります。
それは、
貸付金をこれ以上増やさない。貸付金を減少させていく。
というのが絶対条件です。
貸付金という事業資金以外に融資を流用しないということを絶対条件にして銀行は融資に応じているのです。
可能であれば貸付金の今後の回収計画を銀行に書面で説明するとなお良いでしょう。
融資後に貸付金が増加した場合
万が一、融資後に貸付金が増加した場合、最悪では銀行から融資の資金使途違反を指摘されその融資の全額即時返済を求められる可能性もあります。
また融資後に約束に反して貸付金が増加した場合には、その銀行からの信頼を完全に失うと考えてください。
今後二度とその銀行から融資は受けられないものを考えた方が良いでしょう。
貸付金と融資の借入可能性のまとめ
以上、貸付金と融資との関係をまとめますと次のようになります。
まとめ
・貸付金があるとまた融資が貸付金に流用される懸念があり銀行は融資に慎重な姿勢となる
・貸付金をこれ以上増やさない、減らしていくことが銀行から融資が受けられる絶対条件
・融資後に貸付金が増加した場合、最悪その融資の全額返済を銀行から求められる可能性がある