銀行の融資審査の実務においては一般的に2段階の審査で融資可否が決定されています。
一次審査と二次審査です。
そして融資可否は二次審査ではなく一次審査で実質的に決まっています。
銀行融資の一次審査とは何かについて融資担当の銀行員が説明をします。
融資稟議書の流れ
この図は銀行内で行われている融資稟議においてその稟議書はどのような回付されているかを示したものです。
担当者が起案した稟議書をまずは直属の上司である営業課長に回付します。
営業課長が決裁すれば次は融資課長です。
以降は図の順番のとおり、副支店長、支店長の順番で回付されていきます。
支店長権限内であれば支店長が決裁すれば融資稟議はここで完了です。
支店長権限を超える融資案件の場合には本店の審査部に稟議書が回付され、ここで決裁されてようやく融資稟議が完了することになります。
ここで使用された融資稟議書は銀行が融資可否を判断したいわゆるオフィシャルな重要書類です。
一定期間、この融資稟議書は銀行内で保管されることになります。
融資稟議は2回行われる
ところで銀行での融資審査の実務においては審査は2回行っています。
一次審査と二次審査です。
一次審査とは
通常、オフィシャルな融資稟議の前に銀行内では事前審査を行っています。
取引先への融資可否を判断するにあたり、金額や融資期間、利率などの条件面などを検討し融資を行うかどうかをにあたり課長や支店長などの意見を聞きます。
つまり柔らかい段階で融資可否や条件面をざっくばらんに検討する機会です。
このように公式とも言える融資審査の前に行う審査が一次審査です。
一次審査は侮れない
一次審査といっても決して侮れるものではありません。
現実には銀行の融資可否の決定はこの一次審査で決まります。
一次審査で仮に融資をしないと決まった場合には銀行の融資審査はそれで終了します。
二次審査まで進むことはありません。
銀行の融資審査の実質は一次審査で決まる
一次審査で決定した内容にて取引先に提示し、取引先の同意が得られれば本審査=二次審査に移行します。
一次審査で銀行の融資可否はすべて決まるのです。
二次審査とは
二次審査とは少し言い過ぎかもしれませんが、実態は形式的な稟議プロセスです。
事前審査=一次審査で決まった内容をオフィシャルな融資稟議書に落とし込む作業が本審査=二次審査と言っても過言ではありません。
もっとも事前審査=一次審査では判明しなかった事実が新たに出てきた場合には事前審査=一次審査では可決となったものが、本審査=二次審査で否決となるケースもありますが、稀なケースです。
事前審査=一次審査の段階で実際は本審査=二次審査の内容を確認していますから、事前審査=一次審査での結論が本審査=二次審査で異なるということはまずありません。
銀行融資の二次審査は形式的
一次審査が通れば大丈夫
銀行に融資を相談し、担当者から「審査で内定が取れました」とか「事前審査は通りました」などといった連絡が来れば融資はまず大丈夫と考えて間違いはありません。
事前審査=一次審査の結論の内容を確認し、それで了解が出来るのであれば銀行担当者にその旨を伝えましょう。
銀行担当者は取引先の了解が得られれば本審査=二次審査を行い、名実ともに融資稟議手続きが完了します。
銀行の一次審査とは?のまとめ
以上、銀行の融資の一次審査とは何かについてまとめますと次のようになります。
まとめ
・融資審査の実務においては一次審査で事実上融資可否が決定される
・二次審査は形式的なものであり、一次審査の結論が変わることはまずない