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銀行融資の基本 融資審査マンの見方 中小企業社長との面談日誌

不動産投資案件に対する銀行融資姿勢は厳しい?

不動産投資に対する融資案件は金額も大きくなり銀行としては魅力的な案件です。
不動産投資に対する融資の銀行の対応は実に銀行によって異なります。

ある不動産投資会社

N社はもっぱら不動産に投資を行い、そこからの賃料収入などで収益を稼ぎ出している企業です。
現在15物件の不動産を首都圏近郊に保有しており、すべてを商業ビルして活用し、テナントなどから賃料収入を得ています。

当行との取引は薄い

当行との取引は決して親密ではありません。
不動産投資の資金を当行は融資をしておらず、数百万円ほどの運転資金融資が信用保証協会の保証付にて存在するだけです。
担当者である私もそれほどこの社長とお会いしているわけではなく、何となく担当していたというのが正直なところでした。
ある日、当社の社長から新しい決算書を持参したいとの連絡を受けました。
数日後に社長から新しい決算書を受け取りました。
そして私は帰り際に「不動産に投資される計画がありましたら、うちにも一度声をかけてください」と申し上げました。
私としては「積極的に融資を検討するからぜひ案件を持ってきてほしい」という気持ちよりも単なる社交儀礼的な意味合いであったのが正直なところでした。

ビル購入案件の相談

その後、私はN社のことは忘れていたのですが、2,3ヶ月ぐらい経ったときに社長から「今度商業ビル購入の不動産投資を行おうと思っています。この前、お声をかけていただきましたので、よかったら融資の検討してみてください。資料は郵送しておきます」とさりげなく電話がありました。
私としては自分自身が何気なく言ったことを契機に融資案件の声をかけてくれた社長のことが何となく好きになりました。
融資量を増やしたい時期でもありましたので、私は今回の不動産投資案件を本腰を入れて検討してみようと考えました。

なぜこんなビルを買うのか

社長から電話があった翌日に資料が到着しました。
今回購入されようとしている不動産の資料もきっちりと送付されてきていました。
私はさっそくその不動産がある現地に足を運びました。
今回の不動産は商業ビルなのですが、私はそのビルを見て正直ある疑問がわきました。
「なぜ買うのだろう」と。
そのビルは確かに鉄道の駅から徒歩3分程度の場所で、人通りもあり立地条件は悪くはありません。
しかし何と言っても外見から見る限り老朽化が激しいのです。
3階建てのビルだったのですが、1階にはお蕎麦屋さん、そして2階には何をしているのかはっきりしない会社が入居していました。
3階は私が見る限り入居者はいません。
収益物件の購入の不動産投資融資の場合、その返済原資は物件から得られる賃料などの収入が基本です。
今回のビルの場合には、長期的に安定的な賃料収入が得られるのかどうかが非常に疑問であり、私は正直なところこの不動産投資融資案件は無理かもしれないと考えました。

社長の考え方に納得

N社はすでに15物件の不動産を保有し、相当の賃料収入を得ています。
したがって私としては「何もあえてこのような古いビルなど買うこともないのに」と感じました。
私はこの疑問を率直に社長にぶつけました。
社長から返ってきた答えは「私はあえて多くの人が買わないような物件を買っているのかもしれません。多くの人が買わないということは比較的安く手に入るということです。そして私は自分が手に入れた不動産の価値を高めています。例えば有力な人気のあるテナントをそのビルに誘導することにより、ビル全体の価値が高まるのです。ビルの価値が高まればすでに入居しているテナントさんに対しても賃料のアップが交渉可能となり、さらにその不動産への投資利回りを高めることが出来るのです」というものでした。

1件1件自分の目で確認

私はこの社長の答えに「このような考え方もあるのか」とその当時感動したことを覚えています。
そして私はN社がすでに保有している15件の物件につき、購入当初と比べて現状はどのようになっているのかを無性に知りたくなりました。
私はこの希望を社長に伝えてところ、社長から「それぞれの物件につき購入当時の写真がありますから参考にしますか」と言ってくれました。
私はそれぞれの写真をお借りし、休日なども利用して1件1件、自分自身の目で確かめにいきました。
驚くことにそれぞれのビルは写真とはとても同じではない印象なのです。
あるビルには洒落たレストランが入居しており、ビル全体の雰囲気が当時の写真とは全く異なっています。
また別の4階建てビルでは、それぞれの階に異なった学習塾が入居しており、これもまた当時の写真の雰囲気とは全く異なっています。
社長が言っていた「不動産の価値を高める」とはこういうことなのかを目の当たりにした思いを強く感じました。
私は15件それぞれのビルの現地確認をしたことによって、すっかりこの社長のファンになりました。
今回のビルも社長の手腕によって今まで以上の賃料収入が得られるのではないかと期待しました。

自分の目でみたことに上司も納得

さて肝心の融資稟議です。
ただ不動産投資案件として稟議を起案しただけでは、上司もやはり「あえてこんな古いものを買う必要はないのではないか。年がたつにつれて投資利回りも低下し、予想しているような収益は得られないのではないか」といった反応が返ってくるだけです。
私は社長の考え方を上司に説明するともに、自分の目で見てきた15件のビルについて上司に1件1件状況を説明しました。
さらに支店から比較的近距離にあるN社の保有ビルに上司を案内し、上司の目でも「不動産の価値を高める」という社長の手法を確認してもらいました。
その結果、上司や支店長にも社長の考え方に魅力を感じてもらい、「融資を一度してみるか」という結論に至ったのです。
今回の融資ポイントは取引先から提出された資料だけで判断をするのではなく、自分の目で現地を確認したことにより、社長の考え方に強い納得感を担当者が感じたことです。
融資判断においては可能な限り、使途の現場を自分の目で確認することが非常に大切です。

不動産投資融資に対する銀行の姿勢はまちまち

当行では現在、不動産投資案件に対する融資姿勢は非常に厳しい状態です。
一方で他の銀行はどうかというと当行と同じように不動産投資融資には厳しい姿勢で対応しているところもあれば、「本当か」と疑いたくなるほど破格の融資条件で不動産投資融資を積極的に行っている銀行もあります。
実に不動産投資融資に対する銀行の姿勢はまちまちです。
最初に相談した銀行は不動産投資融資に対して厳しいものであっても、別の銀行では積極的に対応してくれるところもあります。

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