赤字融資

赤字決算でも銀行が融資を検討する3つの判断材料とは?

赤字決算になると、銀行から新たな融資を受けることは難しくなるのでしょうか。

確かに、赤字企業への融資に銀行は慎重になります。しかし、赤字決算だからという理由だけで、必ず融資を断るわけではありません。

銀行は赤字の原因や返済可能性を確認したうえで、業績回復の見込み、担保・保証などの保全、これまでの取引関係なども考慮して融資を検討します。

この記事では、赤字企業に対して銀行が融資を検討する際の3つの判断材料を、融資実務の視点から解説します。

赤字企業への融資で銀行が確認する基本的なポイントや面談対策については、赤字でも銀行融資を受けるには?銀行員が見る5つのポイントと面談対策で詳しく解説しています。

赤字決算に対して銀行が慎重になる理由

銀行融資では、貸した資金を約束どおりに返済してもらえるかどうかが重要です。

企業の赤字が続くと、将来の資金繰りや返済能力に不安が生じるため、銀行は融資に慎重になります。

ただし、会計上の赤字がそのまま返済不能を意味するわけではありません。

例えば、減価償却費などの非資金費用によって赤字となっていても、事業から一定の現金収入が得られている場合があります。

また、一時的な損失による赤字と、本業の不振による継続的な赤字とでは、銀行の評価も異なります。

そのため銀行は、赤字という決算結果だけではなく、赤字の原因、実際の資金繰り、借入金の返済状況、今後の業績見通しなどを確認します。

赤字企業への融資で銀行が考慮する3つの判断材料

赤字企業への融資では、返済可能性を基本としたうえで、次の3つの事情が判断材料になることがあります。

1.赤字からの業績回復が具体的に見込めること
2.担保や保証などによって融資リスクを軽減できること
3.既存の取引関係を踏まえ、事業継続を支援する合理性があること

これらは、いずれかに該当すれば必ず融資を受けられるという条件ではありません。銀行は複数の要素を総合的に判断します。

判断材料1|赤字からの業績回復が見込める

赤字企業への融資で特に重要なのが、今後の業績回復の見込みです。

赤字の原因には、売上減少、利益率の低下、経費の増加、一時的な損失など、さまざまなものがあります。

例えば、不良在庫の処分などによって一時的に赤字となった企業と、売上減少が何年も続いている企業では、銀行が確認するポイントも異なります。

銀行が知りたいのは、単に「来期は黒字になる予定です」という説明ではありません。

売上回復の根拠、利益率の改善策、経費削減の実施状況などを確認し、今後の業績改善が具体的に見込めるかを検討します。

改善計画に一定の実現可能性があり、融資後の資金繰りと返済にも見通しが立つ場合には、銀行が資金繰り支援を検討する余地があります。

判断材料2|担保や保証などの保全が確保できる

赤字企業への融資では、担保や保証などの保全も判断材料になることがあります。

保全とは、万一返済が滞った場合に、銀行の損失を軽減するための手段です。

例えば、不動産担保や信用保証協会の保証などが考えられます。

ただし、担保や保証があるからといって、必ず融資を受けられるわけではありません。

銀行融資では、まず事業活動や資金繰りから返済を続けられるかどうかを確認することが基本です。

担保や保証は、そのうえで融資リスクを軽減する補助的な判断材料となります。

また、担保の評価額や換価可能性、保証の範囲などによっても保全の効果は異なります。

判断材料3|これまでの取引関係と事業継続の必要性

長年にわたって融資取引を続けている企業が赤字となった場合、銀行はこれまでの取引経緯も踏まえて今後の支援方針を検討することがあります。

銀行には、地域の企業活動や雇用を支える金融機関としての役割があります。

また、既存の融資取引がある場合には、企業の事業継続や経営改善を支援することが、銀行にとっても重要になることがあります。

ただし、長年の取引関係があるという理由だけで、新たな融資が実行されるわけではありません。

今後の事業継続の可能性、経営改善への取り組み、必要な資金の使い道、返済可能性などを確認したうえで、追加融資を含む支援方法が検討されます。

場合によっては、新たな融資ではなく、既存借入金の返済条件の見直しなどが適切と判断されることもあります。

赤字企業自身の経営改善努力も重要

銀行が融資を検討する際には、企業自身が赤字からの回復に向けてどのような行動を取っているかも重要です。

例えば、採算の悪い取引の見直し、経費削減、新規販売先の開拓、資金繰り管理の強化などです。

こうした取り組みについて、実施内容とその効果を数字で説明できれば、銀行も改善の実現可能性を検討しやすくなります。

反対に、赤字の原因や改善策が不明確なまま、資金不足になるたびに追加融資を依頼するだけでは、銀行が融資に応じることは難しくなります。

赤字企業が銀行へ融資を相談する際には、経営改善への取り組みと今後の資金繰りを具体的に示すことが重要です。

まとめ|赤字融資は3つの事情と返済可能性を総合的に判断する

赤字決算だからという理由だけで、銀行融資が受けられなくなるわけではありません。

銀行が赤字企業への融資を検討する際には、業績回復の見込み、担保・保証などの保全、既存の取引関係と事業継続の必要性が判断材料になることがあります。

ただし、最も重要なのは、融資後も事業を継続し、返済を続けられる見通しがあるかどうかです。

赤字企業の経営者は、赤字の原因と改善策を整理し、今後の業績や資金繰りを具体的な数字で説明できるように準備することが大切です。

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