業績の悪化などが原因で資金繰りが苦しい場合に銀行への融資の返済を軽減するリスケというものがあります。
リスケはおおむね半年から1年間ほどですが、さらにリスケ延長をすることが認められるかどうかが今回のテーマです。
リスケ延長に関する質問
銀行に返済の条件を変更するリスケの期間は通常は半年から一年で、その後は経営状態をみて延長するかどうかを改めて検討すると聞きました。
このリスケ延長ですが、合計で何年ぐらいリスケ延長をしてくれるものなのでしょうか?
最長で何年とか限度はあるのでしょうか?
またリスケ延長をしてもらえない場合というのはどのような状態になった時なのでしょうか。
リスケ期間について
質問にもある通り、一般的にリスケ期間は半年、長くて1年間程度となります。
お客さんの中には最初から3年程度のリスケ期間を要請されるケースもありますが、銀行が1回あたりのリスケに応じる期間は半年から長くて1年が相場です。
なぜリスケは半年から1年なのか?
リスケはお客さんの資金繰りを助ける意味がありますが、一方でリスケに応じる銀行としては正直痛手です。
なぜならリスケに応じるとそのお客さん向けの融資は「危ない融資債権」として多くの貸倒引当金を積み増す必要があります。
貸倒引当金はコストですから銀行としてはリスケに応じることでコストが増えることになります。
そのためリスケに応じるとしても銀行としてはなるべく短い期間としたいところですから、おおむねリスケ期間は半年から長くて1年とするのが一般的です。
1回あたりのリスケ期間は半年から長くて1年が相場
リスケ延長
しかしリスケ期間を半年から長くて1年としても、その間はお客さんの業績が十分に改善しない場合も当然あり得ます。
資金繰りが厳しい状態が続きリスケを終了することが困難なケースもあります。
このような場合にはリスケ期間が終了する前に改めて銀行と相談をし、リスケ延長の取扱いを受けることができます。
リスケ延長後のリスケ期間はやはり半年程度が相場です。
リスケ延長は何回できるのか
以降もリスケ期間終了前に銀行と相談をし今後の返済についてどうしていくかが話し合われるわけですが、その結果、さらにリスケ延長されることもあります。
リスケ延長は何回までといった決まりがあるわけではなく、その時の状況に応じてリスケ延長の可否が判断されていきます。
ただし何度も何度も無制限にリスケ延長が繰り返されるわけではありません。
リスケを何度も延長するということはそれだけ銀行の管理コスト負担も軽減されないということです。
そのため一向に業績改善の見通しが立たない場合には、資産処分や担保実行などリスケを打ち切り強制回収に踏み切ることもあります。
またその融資が信用保証協会保証付融資の場合には、信用保証協会に代位弁済請求を行うこともあります。
どのような状態になればリスケ延長に銀行が応じないのかといった明確な基準というものは存在しません。
その時々の個別判断によりリスケを打ち切るか、リスケ延長に応じるかを決めています。
リスケ延長に回数制限はないがどこかで改善見込みがなければ打ち切りもある
リスケ延長についてのまとめ
以上、リスケ延長についてまとめますと次のようになります。
まとめ
・リスケの一回当たりの期間は半年から長くて1年が相場
・リスケ期間終了前に銀行との話し合いによりリスケ延長がされるケースはしばしばある
・リスケ延長の回数制限などは存在せずあくまでも個別判断
・業績改善の見通しが立たない場合にはリスケを打ち切り強制回収に踏み切ることもある