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銀行の本音 中小企業社長との面談日誌

「どうして他の銀行に比べてこんなに金利が高いの?」

融資の相談があった会社に金利を含めた融資条件の提示を行ったところ「他の銀行に比べてずいぶんと金利が高いね。もっと金利を下げてよ」との反応を受けました。
住宅ローンやカードローンのような個人向けのローンと異なり事業資金の融資は基本的に金利は個別に判断をしています。
事業資金の銀行融資の金利について融資担当の銀行員が説明をします。

個人ローンと事業資金融資の金利は違う

住宅ローンや教育ローン、カードローンといった個人向けのローン商品においてこれらの金利は基本的に一定の範囲はあるものの、あらかじめ決まっています。
取引による優遇等により利用者毎に適用される金利は異なることもありますが、異なるといっても予め決められた範囲内の話です。

事業資金融資はあらかじめ金利は決まっていない

これに対して事業資金融資においては一部の例外を除いてあらかじめ適用される金利は決まっていません。
一部の例外とはいわゆる制度融資のことですが、制度融資以外の多くの事業資金に対する銀行融資の金利はあらかじめ決まっておらず、融資先毎の個別設定となっています。

事業資金融資の金利は融資先毎の個別設定

銀行にとっての金利の意味合い

最初に事業資金の融資においてその金利の意味合いを整理します。
金利については他の記事でのご案内をしていますが、銀行にとって金利は2つの意味合いがあります。

貸倒リスクに対する対価

1つ目の金利の意味合いは貸倒リスクに対する対価ということです。
銀行は常に融資の貸倒リスクを抱えています。
この点からは非常にざっくりとした説明となりますが、貸倒リスクが高い、つまり業績が順調ではなく返済に懸念が持たれるような融資には高い金利をつけないと割が合いません。
逆に貸倒リスクが低い、つまり業績が堅調で返済に不安が少ないと思われる融資には低い金利でも割が合うことになります。

収益源

銀行にとって金利は大きな収益源の1つです。
物を販売することで考えてみると50円で仕入して100円で売れば利益は50円になります。
金利はこの100円、つまり物の販売価格に相当します。
そして仕入価格は預金金利と考えてください。
融資金利と預金金利の差、つまり利ザヤが銀行の金利収入なのです。
したがって当たり前のことですが、金利が高いと利ザヤが大きくなり、金利が低いと利ザヤが小さくなります。

この会社社長とのやり取り

金利に関するこの会社社長とのやり取りをご披露します。
ちなみにこの会社の業績はまずまずであり決して返済への不安は小さいと考えています。
社長:「お宅の金利は高いよ。うちのメイン銀行より2倍くらい高いよ。そのくらいの金利にならないの?」
銀行:「メイン銀行さんと当行ではお取引の内容が違います」
社長:「どういうこと?」
銀行:「メイン銀行さんには振込など融資以外のいろいろな取引をされています。これに対してうちの銀行は融資以外は何の取引も残念ながらいただいておりません。メイン銀行さんはその融資以外の取引があるために低い融資金利でも採算が合うかもしれませんが、うちの銀行にとっては融資金利だけが採算面で考えられるだけです。ですからメイン銀行さんと一緒に考えられても正直困惑してしまいます」
社長:「確かに振込は全部メイン銀行でやっているけれど」
銀行:「メイン銀行さん並みの金利でうちの銀行は採算が厳しいのです。採算が厳しければ『何のために融資をしているのか?』などと上司などから言われてしまいます。決してこの金利でぼろ儲けをするつもりはありません。御社とは今後とも安定した取引をさせていただきたいと考えています。そのために御社との取引の採算が少なくとも取れる状態でないと出来るものも出来なくなってしまうのです」
社長:「採算ね~」
銀行:「銀行も所詮は御社と同じ株式会社です。収益を獲得しなければなりません。何とかご理解をいただけないですか?」
社長:「お宅の言いたいことはわかりました。ただ他の銀行より2倍も高い金利は・・・。もう少し下げることは出来ないの?」
銀行:「そこは持ち帰って相談をします。わずかになってしまうかもしれませんが今回提示させていただいた金利よりも低くできないか相談をします」
社長:「よろしくお願いします」

取引採算重視の銀行姿勢

銀行は取引先に融資を行うことによりその取引先の資金繰りを支援して事業の成長を期待しています。
また同時に融資などの取引により銀行自身が利益を獲得できることを目的としています。
それにも関わらず採算が赤字、あるいは採算が黒字ではあるものの低採算である取引先とは銀行は取引を拡大したいとは考えていません。
採算が改善できなければその取引先の関係を見直す動きすら銀行は行います。
もっともこれは銀行に限らずどこの会社も同じだと思います。
金利が低くても融資のボリュームをどんどん拡大したいとは銀行はもはや考えていません。
きちんと適正な取引採算を構築することが銀行ももっとも重視しています。
低金利ばかり要請してくる取引先とは取引がなくなってもかまわないとすら銀行は考えるようになっています。
(この記事は2021年2月17日に作成しました)

事業資金の融資における銀行の金利についてのまとめ

以上、事業資金融資の金利についてまとめますと次のようになります。

まとめ

・事業資金融資の金利は融資先毎に個別判断して決まる
・住宅ローンなどの個人ローンのようにあらかじめ金利は決まっていない
・事業資金融資における金利は貸倒リスクへの対価と収益の2つの意味合いがある
・事業資金の融資金利は融資先毎に異なる

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