信用保証協会を利用するメリット

主に中小企業や個人事業主の方々にとって銀行融資の代表格は信用保証協会の保証付融資です。
すでに信用保証協会保証付融資を利用されている方々にとっては、「また信用保証協会保証付融資か～」と思われるかもしれませんが、信用保証協会を利用することで得られるメリットがあります。
信用保証協会を利用するメリットについて融資担当の銀行員が説明をします。

信用保証協会とは

最初に信用保証協会について簡単に整理をしておきます。

中小企業や個人事業主は銀行から融資が受けにくい

上場企業などの大企業に比べると中小企業や個人事業主はどうしても事業基盤が弱く、財務面も脆弱なところがあります。
融資をする銀行から見ると事業基盤が弱く財務面が脆弱ということは融資が返済されない懸念があるということです。
銀行は株式会社ですから利益を追求しています。
そのため融資が返済されない、つまり融資が焦げ付いて貸倒損失を被ることは銀行としては何としても避けたいところです。
そうなると融資の返済に懸念がある中小企業や個人事業主には銀行は積極的には融資を行わないことになります。
それでは中小企業や個人事業主は銀行から融資を受けて資金繰りを安定させることが難しくなります。

信用保証協会は融資を受けやすくする

そこで信用保証協会が登場します。
信用保証協会とは公的機関であり、中小企業や個人事業主が銀行から融資を利用する際に保証人になってくれる存在です。
銀行としては公的機関である信用保証協会が融資の保証人になってくれるのであれば、中小企業や個人事業主にも安心して融資を行うことができるようになります。
信用保証協会は中小企業や個人事業主が銀行から融資を受けやすいように設置された公的機関なのです。

信用保証協会を利用するメリット

実際に実に多くの中小企業や個人事業主が信用保証協会を利用して銀行から融資を受けています。
信用保証協会を利用するメリットについて説明をします。

無担保でも長期の融資借入が可能になる

融資の期間が長ければ長いほど、それだけ返済される可能性が低下します。
例えば融資の期間が3年とした場合、この3年の間に事業者の業績が悪化して融資の返済が苦しくなる事態も想定されます。
融資の期間が5年、7年と長くなればなるほど業績の不透明さが増加していきます。
将来のことは誰にも予想ができません。
ただでさえ事業基盤が弱く財務面も弱い中小企業や個人事業主は長期の融資など銀行から受けることは困難となります。
しかし信用保証協会を利用することにより中小企業や個人事業主であっても銀行から長期の融資を利用することができるようになります。
通常、信用保証協会を利用しない銀行のプロパー融資の場合、無担保での融資の場合の融資期間は３年から５年程度が限界です。
毎月の返済負担を軽くしたり、設備投資など大きな借入を行う場合は融資期間はより長くして毎月の返済負担を軽減したいところですが、さきほども説明したとおり、無担保での銀行プロパー融資の期間は５年程度が限界です。
これに対して信用保証協会を利用すると無担保でも１０年の融資期間が可能です。
担保付となるとさらに最長２０年までの融資も可能です。
より長期の借入を利用することで月々の返済負担を軽減させることができ資金繰りの安定に効果があります。

融資枠が拡大する

信用保証協会を利用するメリットの2つめはより多くの融資が受けられるということです。
信用保証協会を利用しない銀行のプロパー融資の場合、どれだけ業績が堅調な会社であっても、融資量には一定の限界があります。
中小企業に対しては銀行のプロパー融資が可能であったとしてもその限度額はおおよそ５，０００万円程度が限界です。
さらに業績が悪化している場合等は融資限度額は減少し、そもそも銀行からのプロパー融資が受けられないことも多くあります。
したがって中小企業がより大きな借入を必要とする場合は銀行のプロパー融資だけでは不足する場合があります。
そんな場合は、信用保証協会を利用することで銀行からの融資額を増やすことができるのです。

極度型の融資が利用可能

会社の資金繰りは余剰の時期もあれば、逆に不足する時期もあります。
本来会社の資金繰りに応じて銀行融資を利用するには、分割返済による融資ではなく、必要なときに借入をし資金があまったときに任意の金額を返済出来る方式が理想的です。
銀行のプロパー融資にもそういった形式のものもありますが、これが利用出来るのは事実上上場企業に代表される大企業に限られます。
しかし信用保証協会を利用すると「当座貸越」と呼ばれる極度型の融資形態があり、これを利用すれば中小企業でも「必要なときに資金を借入し、任意の時期に任意の金額を返済できる」融資の利用が可能になるのです。

各地公体の低利で固定金利の制度融資が利用可能であること

各都道府県では中小企業の資金繰りを支援する目的で利率が低い融資制度を準備しています。
この制度は信用保証協会の保証付融資の利用が前提となっています。
信用保証協会の保証制度を利用することにより有利な条件の固定金利での融資が受けられる可能性があります。

信用保証協会を利用するメリットのまとめ

以上、信用保証協会を利用するメリットについてまとめますと次のようになります。