銀行融資の基本 融資審査マンの見方

代表者の税金滞納と法人融資

税金滞納と銀行融資の関係です。
法人が銀行融資を受ける際に代表者が税金滞納していると融資が受けられなくなるのでしょうか。

質問

はじめまして。いつも拝見しています。
お忙しいところ恐縮ですが、アドバイスをいただけましたら幸いです。
3年前に起業、貧乏ながら会社の経営は頑張ってきました。
しかしながら、会社起業前の住民税の税金滞納があり、分割で納税していたにもかかわらず、滞納処分、不動産の差押を受けました。
もともと、分割納税金額も高額でなくきちんと払っていけば、いつかは追いつくなんていう心構えがおかしいと今更ながら反省しております。
来月中にはなんとか差押解除の金銭工面をしています。
無担保のビジネスローンなど、実績はついてきたのですが、申し込みは厳しいですか?
個人の口座、会社の口座などは差押はしないとの事でした。
よろしくお願いします。

税金滞納に対する銀行の見方

納税は国民の義務という話はさておいて、税金滞納に対する銀行の見方を最初に説明をします。
銀行は融資先の資金繰り状況を注視していますが、税金滞納しているということは資金繰りが苦しいということと銀行は捉えます。
実際問題として、資金繰りが苦しいからこそ税金滞納をしてしまうと考えるのが自然だと思います。
銀行としては融資は必ず返済してもらわなければなりませんが、きちんと返済できるためには何よりも資金繰りが安定していることが前提条件のはずです。
資金繰りが苦しければ融資の返済も難しいと考えられます。
したがって税金滞納の事実が分かった場合には銀行は融資を実行しません。
これが税金滞納に対する銀行の見方です。

代表者の納税状況を調べるかどうか

では法人向けの融資において銀行はその代表者の納税状況、つまりきちんと納付期限までに税金を納付しており税金滞納がないことを審査するのでしょうか。
銀行によって審査方法は異なりますが、法人向けの融資において代表者が税金滞納しているかどうかを調査することはまずありません。
私の銀行融資実務経験においても法人向け融資において代表者が税金滞納しているかどうかを審査したことはありません。
したがって結論としては代表者が税金滞納の状態にあっても法人向け融資の審査には影響は与えないということです。
もっともご質問者の場合には大丈夫のようですが、税金滞納で法人が融資を受けようとしている銀行の代表者の預金口座に差押が入ると、銀行は代表者が税金滞納していることを知ることとなります。
中小企業の場合においてはその中小企業と代表者は実質一体だと銀行は考えていますから、代表者の税金滞納の事実が判明すると法人向け融資の審査が通ることはまずありません。

代表者の資産調査

ビジネスローンを含めた銀行の法人向け融資審査時には、会社代表者の方が不動産資産を保有している場合、側面調査の1つとして不動産の登記簿謄本の内容を確認することがあります。
さきほども説明したように、これは中小企業の場合、法人と代表者は実質的には一体だと銀行は考えていますから代表者個人の信用状態もある程度、調査して審査の参考にするわけです。
そして不動産にネガティブな権利登記、例えば差押とかノンバンクからの担保設定等がある場合、審査は非常に厳しいものとなります。
銀行など金融機関により審査基準は異なりますが、管理者が勤務している銀行の基準では、代表者個人の不動産に差押登記がある場合、融資はお断りすることになります。
法人向けの銀行融資は運転資金や設備資金など、あくまでも事業に関するものに限定されています。
そして事業活動によって得られた収入を融資返済の原資と考えています。
ところが代表者個人に差押や税金滞納等がある場合、事業資金がこれらの納付などに「流用」されてしまう懸念があります。
資金が流用されてしまえば、本来の事業活動に支障が生じ、融資の返済原資の確保にマイナスになるというのが銀行など金融機関の考え方です。
残念ですがご質問者の場合、少なくとも現状では融資を受けられるのは厳しいと考えられます。

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