銀行での融資審査ではさまざまな角度から融資審査を行っています。
ここでは融資審査に株主が与える影響について説明をします。
質問
来年に工事会社を起業しようと考えていますが、何とか100万は積み立てて用意が出来ますが、建設業許可の為に資本金を500万円にして尚且つ銀行口座残高に500万円がないと申請が出来ないので母の会社が出資しても構わないといっています。
でも問題があって母の会社は、母が代表になっていて、以前父が会社を経営していた時の連帯保証人で借金が有り、父は自己破産(5年以上前)をしています。
私が主人と会社を起業して将来的には融資を考えているのですが、銀行の融資申込みの際に母の会社が株主になって資本金の増資をすると融資は難しいのでしょうか?
融資審査のプロセス
この図は実際に行われている銀行での融資審査のプロセスを示したものです。
基本的にこのプロセスの順に審査が行われて行きます。
融資審査の中心は返済力の見定め
銀行にとって融資は必ず最後まで返済してもらわなければなりません。
万が一、最後まで融資が回収できなかった場合には、その回収できなかったものは銀行にとって損失となります。
銀行も利益を獲得しなければなりませんから回収ができないという事態は絶対に避けたいところです。
そのために融資審査の中心は融資先がきちんと返済ができるかどうか、返済力の見定めが融資審査の中心となります。
株主が大丈夫か
基本的には株主は銀行融資の審査には関係ありません。
ただ全く関係がないといえば、それはウソになります。
例えば株主が反社会的勢力である場合には、融資の申し込みをしている会社も反社会的勢力の関係会社としてみなされ、業績の良し悪しに関わりなく融資はお断りすることになります。
またお父様が会社を経営していた際のことが気になります。
お父様はお母様の会社で現在も働いていらっしゃいますでしょうか?
仮に働いているとした場合、代表者がお母様であってもお父様とつながりのある会社と認定される可能性があります。
その場合、お父様の会社が銀行から融資を受けており、それが返済不能となった事実がある場合、同じ銀行からの融資は難しいと思います。
またお父様の会社の借入が信用保証協会の保証付融資で、やはり返済不能となった事実がある場合、信用保証協会の利用が難しくなると考えられます。
信用保証協会の利用が難しい場合、金融機関と問わず信用保証協会保証付融資が受けられない可能性があります。