条件変更、つまり現在の融資の返済額を減らしたり利息のみの支払に融資契約条件の変更を行うことですが、条件変更中に資金繰りの事情から融資が必要となることもあるでしょう。
現実問題として条件変更中に融資が受けられるかどうかというテーマです。
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質問
銀行より信用保証協会保証付の借入をしていますが、返済が困難なため元金1年間の返済据え置きで条件変更中です。
このような状況で新しく運転資金の融資が出来る方法はないでしょうか?
条件変更に対する銀行の見方
原則として融資は契約時の条件通りに返済をしなければなりません。
銀行では融資時には審査を行っていますが、条件通りに返済をすることも審査の対象になっており、その通りに返済することを条件に融資を実行しています。
しかし現実的には融資実行後の業績の悪化などの原因により当初の条件通りに融資の返済が難しくなってしまうこともあります。
そのような場合に条件変更に応じて返済条件を緩和する対応をしています。
条件変更=資金繰りが苦しいということ
そもそもですが条件変更をしなければならないということは返済が苦しいということのはずです。
そして返済が苦しいということは資金繰りが苦しいということです。
資金繰りが苦しい=融資返済が困難ということ
そして資金繰りが苦しいということは返済ができないということにつながります。
銀行にとって融資は必ず返済してもらわなければなりません。
万が一、融資が回収できないとなると回収できない部分は銀行の損失となります。
銀行も民間企業で利益を上げなければなりませんから、融資が回収できないという事態は回避しなければなりません。
条件変更は融資回収の黄信号
資金繰りの悪化等の理由で当初通りに返済ができないという事態は銀行にとって融資回収への懸念が高まる事態です。
しかし銀行には取引先の資金繰りを支援して事業の継続を図ってもらうという社会的な役割というものがありますから、ただ単に当初通りに返済してもらわないと困るとばかり主張ができません。
取引先の資金繰りを維持して事業の継続を支えるために、本当は嫌なのですが次善策として条件変更に応じることにより資金繰りを支えて事業継続を図ってもらう対応をしているのです。
条件変更というのは取引先の資金繰りへの黄信号ですから、条件変更に応じるものの全額の融資の回収に大きな懸念が生じることは間違いがないことです。
条件変更中の融資の意味合い
条件変更中の融資は一種の不良債権の予備軍だと言えます。
そのような状態にも関わらず、つまり条件変更中にも関わらず新たな融資を実行するということは銀行にとってはさらに不良債権の予備軍を増やすことになってしまいます。
このようなことは銀行としては避けなければなりません。
したがって条件変更中に融資を受けることは原則的には難しいです。
条件変更中に融資を受けるには
では条件変更中は一切の融資を受けることができないのかというと、方法は1つあります。
それはやはり担保です。
融資額と同額以上の価値がある担保を銀行が取ることができれば、不良債権の予備軍は増加しません。
「そんな担保などないよ」と言われるかもしれませんが、条件変更中に融資を受けるには担保などの保全策を銀行が確保する方法しかありません。
これが現実です。